baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 インドネシアで独仏が同性愛フェスティバル

 今朝テレビのニュースを見ていたら、ジャカルタ在のドイツ、フランスの大使館主催で同性愛者、両性愛者のフェスティバルを今晩開催するというニュースで盛り上がっていた。ドイツとフランスの大使館がこのフェスティバルへの参加を幅広く呼びかけているとして、イスラム指導者を中心とする人々から強硬なクレームが出ていた。
 当地にはイスラム国のご多聞に漏れず、オカマは非常に多い。ジャカルタの中心街にはブローラ通りという、夜は妙麗な立ちんぼが並ぶので有名な通りがあるが、ここの立ちんぼは例外なくオカマであった。最近は余り見掛けないが、以前は夥しい数がいた。アンチョールというジャカルタ北部の海岸は、昼間は家族連れで賑わうが、夜は何キロにも亘って海岸沿いにそれこそ5m間隔で何千人もの立ちんぼが出たが、これも殆どオカマと言われていた。彼女たちは見かけは美人揃いで、薄暗いから全く見分けは付かない。交差点にいて楽器を鳴らしながらお金をせびる乞食も、女性の格好をしているのはオカマである。レスビアンについては、偶に芸能人に見掛ける程度で殆ど表に出てこないので、僕は全く知識を持ち合わせない。
 しかし、未だ社会が欧米や最近の日本ほど進化していないので、これらの同性愛者は全く市民権を認められていない。逆に市民権がないから、芸能人は別格として、こういう仕事しか出来ないのであろう。社会全体が未だ保守的で、同性愛者に対しては極めて厳しいのである。イスラム教が同性愛を禁じていたかどうか、少なくともクルアンにそういう記述があったか記憶がないが、とにかく一般人の反感は顕著である。
 そんな土地柄で、独仏がフェスティバルをやり、同性愛者、両性愛者への理解を深める映画を上映すると言うから、テレビにとっては格好の題材である。喧々諤々の議論だが、例外なく独仏大使館を非難するものばかりである。誰が場所の提供を許可したのか、という追及にはジャカルタ市側は明確に回答出来ないでいる。両国大使館はメディアからの追及にそれぞれ、自国大使館にはこういうフェスティバルをやる権利がある、第三者にとやかく言われる問題ではないと回答している。挙句にはインドネシア文部観光大臣が、インドネシアで映画を上映するに際しては検閲を受けなければならない、未検閲の映画を一般公開することは違法である、との見解を述べた。恐らくはこのフェスティバルは中止となるか、少なくとも映画の上映は取り止めとなるであろう。
 どうして独仏両大使館がこんなインドネシアとの友好には全く役に立たないフェスティバルをやるのか不思議であるが、とにかくインドネシア側の反感は強かった。その強い抗議に対しても独仏大使館は絶対に頭を下げないようである。僕が特にここで言いたいのは、外国人は一旦やってしまった事にはちょっとやそっとでは絶対に非を認めたり簡単に方針転換はしないと言う事である。民主党政権にも少しは爪の垢を煎じて飲んで、外交とはどんなものかを学んで欲しいものである。