baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 キャリーバッグの修理とエリート検察官の証拠改竄

 昨日書いた偽物のサムソナイトの足を、作れる時に作っておかないと急に出張が入ったりすると困ると思い、今日は午前中から溜まった仕事や銀行回りを精力的に片付けて、夕方早めに仕事を終えて渋谷の東急ハンズに買い出しに出かけた。壊れたカバンを引っ繰り返したり裏張りを剥がしたりして色々考えた挙句に、木で代替の足を作る事にした。プラスチックの一体成型の足の一部が折れてしまい、接合部分が複雑な形になるので木に決めたものである。そもそも新しいカバンを買えば簡単なのだが、他の部分が未だしっかりしているので貧乏症の僕にはカバンを捨てると言う選択肢はない。
 大工道具は若い頃にはそれなりに揃っていたのだが、長い海外生活の間に散逸してしまい、最近また少しづつ買い集めてはいるが色々と足りない物も多い。東急ハンズで4.5cm角の木片を買ってその2辺を寸法に落として貰い、その間に丸鉋や鑿、塗料などを買い揃えて帰宅した。木片を買う時に檜と欅があり、どちらにしようか大分迷ったが、加工し易そうな檜にした。
 家に戻っても設計通りに上手く行くかどうか気になって食事どころではないので、つまみと、景気付けに流動食を少々流し込んで早速工作に取り掛かった。外形は鉋よりも繰り小刀の方が使い勝手が良かった。プラスチックの残骸に合わせて、木片の中を繰り抜かなければならないので鑿を使ったら、物の見事に木が割れてしまった。外側が削り易い分、やはり木が柔らかく脆いのであった。仕方がないので万力でそれ以上割れないように締めつけて、何とか中も繰り抜いた。そして割れた木片を木工用ボンドで貼り付けて、塗装して、残念ながらボンドが乾くまで今日はお預けとなった。今後はこういう目的の時には、やはり多少梃子摺っても固い木を買おうと心に決めた。取り敢えず折角作ったから今回は檜でやってみるが、恐らく直に割れてしまうであろう。梱包用のテープで巻いておこうか、でも折角削って塗装までして、何だか勿体ない気もする。
 そんな工作をしていたら、テレビで大阪地検特捜部の部長と副部長が逮捕されるニュースが流れた。検察が自白調書を捻じ曲げるような話が最近多くて鼻白んでいたが、それでも以前は、特に知能の高い犯罪者を自白させるには、ある程度の恫喝や誘導も必要だろうと思っている部分もあった。しかし最近の、厚生労働省の村木局長の裁判で明らかになった検察調書作成の強引さには、流石に驚きもし辟易もしたばかりの時にこの事件である。
 検察、それもエリート揃いと言われる特捜部の検事が、組織ぐるみで証拠改竄という極めて悪質な犯罪を隠蔽しようとしたようである。事実であれば許されないのは当然であるが、そんな個人レベルの罪の事よりも、もう誰を信じたら良いのか分からなくなる。鈴木宗男佐藤優国策捜査と称して未だに抵抗しているが、本当に特捜部検事が罪を捏造したのではないかと以前にも増して思えて来る。特に佐藤優の「国家の罠」は説得力のある本だから、佐藤優の書いている事の方が真実のような気がしてくる。小沢一郎の不起訴にしても、特捜部に圧力が掛ったのではないかと、増々疑わしい。特捜部の検事はもう少し骨があるのかと思ったが、裁判を有利に導く為には証拠の改竄までやるようでは、政治家や上からの圧力に屈する程度の事には些かの良心の呵責も感じないであろう。
 エリートと言われる集団だけに、出世欲が強く、キャリアに疵の付く事は避けたかったのであろう。検事の証拠改竄などと言う前代未聞の不祥事が発覚すれば、上の人間の責任は免れない。しかもこんな重大な不祥事であれば、監督責任を取らされれば恐らく再起不能となるであろう。一人の愚かな部下のお陰で自分のキャリアを棒に振る馬鹿々々しさは同情に値するが、それは適正に対処した場合の事。共倒れになりたくないが為に事件を隠蔽したとなれば、もう同罪である。そして、国民は検察を全く信用出来なくなってしまった。
 小沢一郎陸山会経理不正処理事件でも、件の元主任検事が東京に応援出張して取り調べに当たったが為に、石川衆院議員以下の被告は起訴事実認否で一切の罪を否定する方針に変わったと報道されている。実際、これからは裁判官も何を証拠採用したら良いのか、定めし悩ましいであろう。この津波のような大事件の余波は、当分治まるまい。返す返すも馬鹿な事をしてくれた物である。それにしても、日本は公正な法治国家だと今まで信じて来たが、実態は判決も金次第のインドネシアと何ら変わらなかったようである。如何にも情けない。