baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 無人偵察機

 僕は子供の頃から飛行機が大好きだった。僕が子供の頃の飛行機と言えば、朝鮮戦争で活躍したF86スーパーセイバーか、大島の三原山で墜落した日航のDC3である。スーパーセイバーは憧れの的で、何時も絵を描いていた。画用紙をセメダインで貼り重ねて作る紙飛行機も、何時もF86であった。
 そんなだから一時は飛行機乗りに憧れ、飛行機を作る事に憧れた。子供の頃はゴム動力飛行機を作り、6年生の時にはエンジン機を始めたりした。当時は未だラジコンはなくて、U-コンという、ワイヤーで昇降舵だけ操作して自分を中心にグルグル回る飛行機であった。それでも上級者になれば宙返りや背面飛行も出来た。僕はとてもそこまでは行かなかったけれど。
 そんな夢は大学を受験する頃まで持ち続けていた。僕が夢を諦めた理由は二つ。一つは飛行機は軍用機を作らないと事業として成り立たない、しかし武器作りには手を染めたくない、と言う事。もう一つは、子供の頃日本橋三越高島屋にあった古いエレベーターに恐くて乗れなかった僕には、パイロットが勤まる筈が無いと言う事。とにかく昔のエレベーターはGの変動が大きくて、子供心に大変恐かったものである。
 それ程飛行機に憧れた子供時代であったので、三つ子の魂百までもで、未だに飛行機は大好きである。乗るのが好きと言う事ではなく、飛行機の話が好きなのである。デザインも大好きである。そんなDNAがあるのかないのか、息子もオートジャイロに関わる研究で博士号を取った。親子揃って大の飛行機好きなのである。そういう興味の中で僕は、特に北朝鮮竹島尖閣諸島が問題になっている昨今、無人偵察機に大いに興味を持っている。
 無人偵察機は元々は米軍がイラク戦争などに投入して効果が絶大であったものである。無人で高々度から写真撮影をし、状況に応じてエンジンを切って偵察飛行をすると言う。以前は偵察と言えばU-2に代表される高々度有人偵察機であったが、撃墜されればパイロットに犠牲が出るし、国際的な非難も浴びる。だから偵察には無人に如く手段はない。特に現在のカメラや遠隔操作の技術を持ってすれば、有人である必要は全く無い。無人であれば撃墜されても構わないし、日本も早く自前の偵察機を持つべきであると常々思っている。
 そんな折から米軍の最新鋭無人偵察機グローバルホークが公開されると言う。正直なところ、デザインは決して格好良くない。僕の飛行機の範疇から言えばむしろ醜悪である。鯨か鯰を想起させるヌメッとした頭部は、お世辞にも好きになれない。しかし航続時間36時間と言うのが凄い。視界が半径100kmと言うのは現在のカメラ技術を持ってすれば驚くには当たらないが、高度2万メートルから監視を続ける事には大いに意義があると思う。北朝鮮工作船が接近しても事前に把握できるし、領土問題でも中国軍や韓国軍の動きが事前に分かる。北朝鮮のミサイル発射なども即座に捉えられるし、それ以前にミサイル発射準備も正確に捉えられる。
 値段は飛行機だけなら30億円程度らしい。防衛装備としては決して高い値段ではない。米国も日本に売り込みたいようであるから、この際是非自衛隊でも数機装備して貰いたいものである。東アジアの緊張は当面緩和する事はあるまい。覇権主義の中国、親子3代に亘る世襲で当分路線が変わる可能性が極めて低くなったテロ国家北朝鮮、等と海を隔てて接している日本である。竹島を実効支配している韓国も牽制して、竹島にも日本の主権を主張しなければならない。その為には高空からの偵察による情報収集は限りなく意義深いものとなろう。そして、願わくば日本で一般公開して貰い、一目みてみたい。