baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 御坂峠へツーリング

 やっと朝から素晴らしい秋晴れになった三連休の最終日。急遽外人ライダー仲間に声を掛け、ツーリングに出かける事にした。ソロツーリングの方が気楽で良いのだが、この頃この仲間の活動が低調になって来ているのでちょっと変わった事をしてみた。
 声を掛けたのが急だったのもあり集まったのはたったの3台、それも1台は朝になってキャンセルしてきた。理由は、元々ガールフレンドと来ると言っていたのだが、市川の自宅から集合場所の秦野に来るのに首都高が使えない事に気付いた、首都高が使えないと道が分からない、と言うものであった。僕もそんな事はすっかり忘れていたのだが、実に無意味な規制が未だ生きていた。一般道を二人乗りするよりは、幾ら狭い首都高でも高速の方が余程安全なのだが、バイクの事を知らない警察官僚の偏見である。
 一人は高速が厭だ、と言うので秦野のコンビニで待ち合わせる事にした。初めて会う人間、しかもお互いニックネームしか知らないので、男か女かも分からない。会うまでは、実は不安であった。秦野からヤビツ峠へ向かう計画にしたのだが、初心者だったらどうしようと言う不安である。今朝は環八も東名も空いていて、僕は約束よりも30分以上早く着いてしまった。ところが相手は道を間違えたそうで、30分も遅れると言う。不安は益々高まった。もう1台は山中湖で合流する事になっている。
 しかし、会ってみて少し安心した。D-Trackerに乗っている若く見える男であったがタイヤは結構使っている。英国生まれ、英国育ちの中国系英国人であった。彼はさらにコンビニで腹拵えをしてから、やっと出発となった。登戸から既に2時間半も下道を走って来たと言うからご苦労なことである。僕はと言えば杉並から1時間も掛らなかった。
 絶好の快晴の下、ヤビツ峠は日蔭が未だ湿っていて、前輪が新品タイヤの僕は少し慎重に走ったが、彼はしっかり付いて来る。完全に不安は無くなった。ただ、今日はやはり交通量が多く、対向車が沢山いる。ブラインドコーナーで鉢合わせになる事も度々で、しかも相手は路の真ん中を、酷い時には右側寄りを走って来るから何度か急制動を掛けたが、概ね快適なワインディングであった。
 そこから413号に出たのだが、今日は車が数珠つなぎで、抜いても抜いてもまた次の集団にすぐに追い付いてしまい普段のように楽しいライディングは出来なかった。出だしで遅れてしまったので時間を稼ぐ為に休まずに山中湖へ。約束の場所へは秦野から丁度二時間、もう1台とは一分と違わず同じ時間に着く事が出来た。彼は日本語教師だと言う英国人、日本人の奥さんとCB400でタンデムで来た。
 日本語教師は家が富士宮で、富士五湖の辺りは詳しいと言う。そこで彼に道案内を任せる事にした。なるほど裏道を良く知っている。今日はどの道も混んでいたのだが、彼が先導する標識も無い細い道は林道が多く、落石や濡れた落ち葉は多いが車はまるで走っていない。お陰で渋滞に会う事も無く、山道を堪能する事が出来た。あちらこちらに栗のイガが沢山落ちていたが、実はどうなっているのか、猿かクマが食べるのか、人間が拾っているのか、ちょっと気になった。

                  (御坂峠から仰ぐ富士山)

 そして、彼等ご推奨の天下茶屋ほうとう鍋を食べに行った。その先はトンネルが開通して甲府側に抜けられるようになっているのだが、トンネルは一般車には開放していない。

        (古びた建物の天下茶屋。行き止まりなのに大混雑の盛況であった。)

 登戸の男は余り遅くなりたくない、というので4時半ごろ富士宮で分かれた。英語教師はそのまま帰宅。僕は未だ200km程度しか走っておらず、時間も早いのでそのまま帰りたくなかった。そこで一人、再び71号に戻り朝霧高原鳴沢村を抜けて富士吉田にでた。そこから高速に乗っても良いと思っていたが、見れば河口湖−小仏トンネル渋滞35kmとある。馬鹿々々しいのでそのまま山中湖に戻り同志道を412号まで下り、鯉のぼりで有名な愛川町経由16号まで下道を走った。同志道は追い抜きをする気力も湧かないほど車が数珠つなぎであったが、幸い皆良いペースで走って呉れたし、八王子バイパスが無料になったので気楽に使える。富士宮から4時間足らずで帰宅出来た。138号では随分擦り抜けをやったとは言え、混雑の割には早く帰れたから、道の選択が当たったもののようである。
 朝はちょっとトラブったが、総行程420kmの楽しい一日であった。外人ライダーは分かれる時も手を振るだけ、あっさりしたもので、未だにお互いに素性も良く分からない。一日一緒に過ごしても、場合によっては今回限りかも知れない。そのくせしっかり仲間意識が出来上がる、不思議な仲間たちである。