baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 末期的な民主政権

 陸上自衛隊入間基地であった何かの催しで、来賓として招待されていた人が挨拶で「こんな政権では日本の将来は無い。早く民主政権を引っ繰り返さなければ日本は滅びる」的な事を発言したのを受けて民主政権が猛反発、自衛隊に対して、来賓の思想を事前によく調べ、二度とこういう反政府発言をする来賓を招かないように、そして来賓のスピーチについては事後報告を徹底するように、という防衛省の指示を出したそうである。自衛官がそういう発言をする事は許されないのは当然であるが、来賓の思想調査を事前に行い、来賓をして二度とこういう発言をさせてはならない、と言うのは正にファシズムである。人気凋落の民主党は最早ファシズム的な手法を使って言論を統制しようと考え始めたのか。
 事業仕分けのニュースを見ていると、もう噴飯ものである。食事の時間には見ない方が良い。民主党バリバリの仕訳人と、民主党から送り込まれている政務三役とのやり取りである。片や政務三役側は、政府、与党の政策に基づく予算要求であると上からの押し付け的なプロジェクトであると匂わせて、要求予算の中身の詰めが甘い事を誤魔化そうとする。同じ民主党の仕訳人は、自分の党の政策である事も忘れたかのように、その中身の無責任さを追求して「事業廃止」に追い込んで面目躍如の体である。飼い主が投げた棒切れを咥えて戻って来て得意な顔をしている犬そっくりの得意顔である。ここまで来ると、同じ党の党員かと思うほど話が噛み合わない。党内がそんなにバラバラで、よくぞ与党が張れるものだと感心する。
 事業仕分けはそもそも民主党の票集めの為のパーフォーマンスであった。勿論、歳出に冗費は付き物であるから、何時も本ブログに書くように、税金の使い道は事業仕分けなどと大上段に振りかぶらなくても日々地道に監視しなければならない。ところが民主党は、票集めの為のバラ捲き政策を沢山ぶち上げてしまい、あろう事かその財源は自公政権の無駄を省けば充分賄えると国民を騙してしまった。そして国民の目を眩まし、足りない財源を少しでも水増しする為に事業仕分けを目玉にして、タレント崩れを主役に据えてテレビのバラエティーショーに仕立て上げてしまった。ところがいざ蓋を開けて見れば、絞り出せる財源は十分どころか半分にも満たない、民主党がぶち上げた無駄の総額の一割位しか出て来ない。それも大部分が埋蔵金を召し上げての、一度限りなのであった。動機がまるで不純なら手段も足が地に着いていなかった訳で、破綻するのは当然の成り行きである。事業仕分けは、そもそも名称から改めなければならないが、地道に、ローエクスポージャーで、事の本質をじっくり論議しながら無駄を省くべき性質のものである。テレビで受けを狙う様な仕事とは懸け離れている。
 税制改革にしてもしかりである。民主政権は未だに子供手当に拘るのだが、どう按配しても財源が付いて来ない。だから扶養控除を廃止したり配偶者控除を廃止しようという議論になる。ところが面子があるものだから子供手当については断固廃止は考えないし、子供手当に年収をリンクさせる事も受け入れない。それでもにっちもさっちも行かなくなって、公約で約した金額全額の給付については否応なしに変更せざるを得なくなった。法人税にしても、先日も書いたばかりだから今は繰り返さないが、法人税減税分のマイナス分を他の手段で法人から取り上げて収支を合わせようとしている。それでは法人税減税の意味が全く無い。
 要するに、民主党のスローガンは大向こう受けを狙って票集めに格好の良い事ばかりを言ってはみたが、実態は全く伴っておらず、本質を見据えた政策ではなかったのである。税制改革は、将来の日本の青写真をしっかり描いて、それに見合った制度に変えて行く事が肝要であって、目先に捉われ表層のみを触ろうとすれば今の様にあちらこちらに矛盾が出てきてしまうのである。ここにも民主党の将来ビジョンの欠如が如実に現れている。
 そして人材が沸底している。例えば先日来、本ブログで虚仮にしている柳田稔法相が、また広島の集まりで大失言をした。曰く、「法務大臣は(何とも気楽な稼業で)良いですね、国会では科白を二つ覚えておけば大丈夫、分からない時はそれを言う、私はもう何度その科白を言った事か」と、にこやかに、自慢げに発言したものである。テレビのニュースに流れる位の、しかもちゃんとしたプロの撮影した映像である事から、当人が国会で弁明するような、私的なこじんまりした会であったとは到底思えない。何百人という参会者がいたであろう。二つの科白とは、「個別の事案については答を差し控える」と「法と証拠に基づいて適切に対応する」というものだそうである。これほど国民や国会を馬鹿にした話もない。自ら勉強する気もないのであろう。叱責の為に官邸に呼び出された時も記者団に、「これから叱られに行くの」とヘラヘラしていた。
 更には冒頭のファシズムを追求された北澤俊美防衛相は、昨日の国会答弁で自民党に追及された際に「自民政権でも同じ事をしたであろう」と言わずもがなの発言をしたものだから、国会が一時紛糾してしまった。枝野幸男前幹事長は「政権与党は思っていたより遥かに忙しい」と本音を漏らしたそうであるが、この言葉が端的に表しているように、民主党には未だ政権を運営する準備も覚悟も勉強も出来ていなかった。蓮舫の議事堂内でのファッション撮影やら、徒に外国を刺激する発言に暇の無い前原誠司、すぐに興奮して開き直る仙石由人、何を言っているかさっぱり要領を得ない「まぁ、言ってみれば、ある意味総理大臣の」菅直人鳩山由紀夫が降りた後は、愚かさでは法務大臣が群を抜いていて彼は全く閣僚の器ではないが、首相、官房長官以下も、何れも政権運営という重責を担う準備が整っていたとは到底思えない。入間基地の来賓のスピーチではないが、もう限界だと思う。