baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 北朝鮮の砲撃

 北朝鮮が、朝鮮戦争終結以来初めて韓国の陸地を砲撃した。全部で180発の砲弾を発射して、その内の100発は海に落ちたが、それでも残りの80発が延坪島に着弾したと言う。そして少なくとも民間人が二名、軍人が二名死亡し、大規模な火災が起きている。何とも無茶苦茶な話で、幾ら北朝鮮ならやりそうな事とは言え、ここまで一方的に戦争を仕掛けるとは思わなかった。実際、成り行き次第では一触即発で第二次朝鮮戦争が起きても不思議ではない、際どい話である。幸い今は中国が全面戦争に加担するとは思えないので、北朝鮮単独で本気で戦争を仕掛ける度胸はなかろうが、しかし際どい賭けである事に間違いはない。
 これに対して日本政府の反応は何とも鈍い。まるで対岸の火事で、何時火の粉が降って来るか分からないという緊迫感がまるで感じられない。何とも平和ボケした、或いは相も変わらぬ危機管理が出来ない政府である。北朝鮮は日本の全土を射程内に収めるミサイルを持っており、何をするか分からない狂犬のような総書記を戴いている気違い国家であるから、現実に何時日本にミサイルを発射して来るか分からない。ましてや在日米軍が標的になる事は、充分にあり得るし、ミサイルの命中精度は大した事はなかろうから逸れ弾が周辺の民家に落下する事態は大いにあり得る。
 それだけに自衛隊には迅速に厳戒態勢を取らせ、直ぐにも日本海イージス艦を配備し、沿岸に配備されたパトリオット部隊は24時間臨戦態勢とし、官邸に特別チームを組織するぐらいの緊急態勢を取って当然だと思う。更には国民にも、パニックに陥らせるのは利口ではないが、何時でも緊急事態が起き得るので今後は政府の発表に気を付けて頻繁にテレビやラジオのニュースに気を付け、万が一非常事態が発生した場合には冷静に政府の指示に従って欲しい、位の注意報を出しても遣り過ぎではないと思う。それ位、日本は朝鮮半島と接しているのである。だが、この間に政府のした事と言えば抗議声明を発する程度の、なんとものんびりとした受け身の対応である。
 第七艦隊は早速、演習の名目で横須賀を出港したと言う。横須賀に限らず、沖縄や岩国の米軍基地も最大級の厳戒態勢に入っている事であろう。それに対して自衛隊は精々米軍から提供される衛星写真を注意深く見守り、北朝鮮の通信傍受に力を入れる程度らしい。そんな事でいざという時に迅速に対応出来るとは思えない。官邸が何も指示をしないから自衛隊も動きようがないのであろうが、物騒な話である。勿論、現代では朝鮮半島で全面戦争が勃発する可能性は極めてゼロに近いとは思う。しかし今回の事件は、少なくとも軍事境界線での軽微な銃撃戦や、韓国哨戒艇の魚雷撃沈事件とは次元を異にする重大事件である事は間違いない。
 そんな北朝鮮系の朝鮮高校の授業料を無料にすると、昨日まで真剣に言っていた民主党政権である。幾ら朝鮮半島系の議員が多いからと言って、反日教育をするような高校の授業料を我々の税金を遣って無料にするという料簡が理解出来ない。流石に今般の砲撃事件で、この方針の再検討をするようであるが、民主政権は見掛け以上に左翼政権なのか、朝鮮半島の代弁者なのか、単なる定見がないだけなのか、何れにしても危うい政権である。例え今回の砲撃事件が無くとも、日本人拉致に対する北朝鮮の全く誠意の感じられない対応だけでも、朝鮮高校の授業料無料化はあり得ない話の筈である。
 ところで僕が不思議なのは、北朝鮮が今回の様な無茶を仕掛ければ世界中が批判し、厳戒態勢を敷く。ところが同じ気違い国家のイスラエルが似たような事をしても、殆ど騒ぎにならない。イスラエルは、北朝鮮以上に確実に核兵器保有している筈で、その意味では北朝鮮をも凌ぐ極めて危険なテロ国家である。今日現在も、イスラエルパレスチナの領土内に勝手に入植地を広げ、パレスチナが反発すれば圧倒的な軍事力で戦闘爆撃機による一方的な爆撃と戦車による蹂躙で何百、何千という一般人を殺戮するのだが、その事は日本も含めて然程問題にされていない。西側の報道が偏っており、日本の報道も西側に組みしているからである。
 勿論、朝鮮半島と違う処もある。それはパレスチナ側のハマスというテロ組織がロケット砲をイスラエル側に撃ち込んだり、爆弾テロを仕掛けたりするのに対し、韓国はそういう挑発はしていない点である。しかしハマスのテロも所詮はゴマメの歯軋りで、イスラエルの一方的な殺戮に比べれば物の数には入らない。そんなイスラエルに対して、世界は西側も含めてもっともっと厳しく対応すべきだと思うのだが、ユダヤが米国を初めとする世界の金融界を牛耳っているので、米国を筆頭に誰も手も足も出せない。結局は世界は力関係で動いているのである。
 北朝鮮が糾弾されるなら、そしてされて当然なのであるが、本来はイスラエルも同様に糾弾される可きであると僕は確信している。この世からテロは一掃したいのである。ところが現実の北朝鮮イスラエルに対する扱いの違いは、僕には理解出来ない、呆然とする現実である。