baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 Wikileakの暴露

 Wikileakと言うアメリカの外交文書を暴露する、在欧州の団体が新たに25万件に上る内部文書を入手して公開すると言う。Wikileakと言うのは表向きは善人ぶっているが、創始者は元々はオーストラリア出身の犯罪者で、現在やっている事も正に犯罪である。本職はハッカーであるそうだ。他人の信書を覗き見るどころか、公表してしまうというのだから始末が悪い。言って見れば、家族それぞれが別々のパソコンとメルアドでお互いのプライバシーを尊重しながら無線ランを使っている家のそばで、メールを全て傍受して家族も知らないお互いのプライバシーを世間に公開している訳である。そもそも欧州で、こういう団体が公然と活動出来るという事が僕には理解出来ない。
 国際的な日本のプレゼンスが墜ちているのを顕著に裏付けるように、日本関連の文書は25万通の中の7千通程度に過ぎないと言う。中には麻生首相が中国を訪問した際の胡錦濤温家宝についてのコメントがあると言うが、そのコメント自体はそれ程相手を侮辱したものでもなく、こと本件に限って言えば大勢に影響はあるまい。それ以外にどんな物が含まれているのか知らないが、鳩山由紀夫をバカのチョンのと言っている程度なら事実だから、これも已むを得ない。とは言え、本来表に出る筈のない文書が公開されると言うのは、やはり気分が悪い。
 世の中のネット化が進み、いまやネットなくしては生活が著しく不便になる。このブログもネットがあればこそであるし、メールが当たり前になってしまえばメール無しの生活は想像も出来なくなっている。地図の検索、レストラン探し、クレジットカードの請求、電話代の請求、本の注文、オークション参加、ネットショッピング、とにかく毎日がネット無くしては成り立たなくなっている。僕の様な黄昏族ですらそうなのだから、もっと若い年代の人は尚の事であろう。
 今回は先般の警視庁の公安情報の漏えい、尖閣諸島沖衝突事件の映像流出、等々情報のセキュリティが問題となっている矢先の出来事である。何とも気持ちが悪い。特に僕のようにパソコンは最低限しか使えない、どちらかと言えば音痴に近い者には尚の事、理屈が良く分からないだけに空恐ろしい。例えばうっかりダウンロードしてしまうと、自分のパソコンの中の情報が全て盗み取られてしまうソフトがあると言う。ソフトは目に見えないだけに、始末が悪い。こんなソフトが勝手に自分のパソコンに入り込んでしまうと、無数のサイトに登録してあるIDやパスワードも盗まれてしまうし、ネットで買い物をする時に使うクレジットカードの情報も盗まれてしまう。素人には盗まれた痕跡すら掴めないし、パソコンに侵入された事も分からないから、気が付くまでに相当の時間を要する。その間に何度も盗みに入られてしまう訳である。
 アナログ時代であれば、家の入口のドアのカギは頑丈にして、補助錠を取りつけて、窓には格子を付けてガラスはワイヤー入りにして、外から見て一見して留守である事が分からないようにする、等々の防犯の知恵が沢山ある。空き巣は空き家に入るのに、一定以上の時間が掛ると諦めるから、入り難くするのが肝要だとも言う。その他、掏り対策やら夜道の痴漢、ひったくり、等々への対策も色々とある。しかし、ネット犯罪となると我々素人には手も足も出ない。精々怪しげなメールは開かない位しか知恵がない。しかも犯罪者の姿が見えず、敵は在宅で悠々と悪さが出来るのだから、気軽に、手っ取り早く、或いは遊び感覚で盗みが出来てしまう。
 世界で最も防諜が進んでいると思われるアメリカの政府機関ですら、例え内部告発者がいるにせよ、極秘文書が盗まれてしまうのである。こうなるとコンピューターの進歩に合わせた何らかの国際的な倫理規約を設けて、犯罪の抑止をしなければならないと思うのだが、その倫理規約がまたまた単なるソフトであれば、プロの手に掛れば簡単に破られてしまうのかも知れない。どうしたら良いのか皆目見当も付かない、便利と不気味の背中合わせである。量子コンピューターが実用化されれば、個々のパソコンが其々独自の暗号方式を持てるようになるのであろうか。世界に二つと同じ方式のない暗号が使えるようになるまで、ネット時代の盗賊には手も足も出ないのであろうか。僕などは万が一自分のプライバシーがネットに流れていても気も付かないだろうが、やはり知らぬ間に秘密が覗かれているのは許し難い。