baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 いよいよ紛糾の民主党

 昨日の茨城県議会議員選挙で民主党が大敗した。衆院選挙の時の余勢を駆って23人も立候補させ、岡田から蓮鈁から、応援に躍起だったのだが蓋を開けて見れば当選は僅かに6人、4人に一人しか当選しなかったと言う大惨敗であった。その余波も引かぬ今日、党幹部会でまた大もめしたようである。小沢一郎の国会喚問の問題である。そして、結局は余り明確な結論が出ずに幹事長に一任となり、またまた要領の悪い岡田克也が小沢に面談を申し込むという元の黙阿弥のような話になったようである。大騒ぎしている割には、一向に進展がない。すっかり厚顔無恥小沢一郎のペースである。
 この問題でとみに感じるのは、菅直人岡田克也に丸投げで自身が党代表の役割を全く果たしていないと言う事である。そこにはリーダーシップの欠片も感じられない。これだけ事が紛糾すれば、本来なら党代表がもっとはっきりと方針を示すべきである。別に岡田幹事長の梯子を外している訳ではないが、声が小さすぎて全然聞こえて来ない。党幹部会での結論もはっきりしない。しかもあろう事か記者会見で、「仮免許も終わったのでいよいよこれから本免許で頑張る」と言ったそうな。6月に政権交代してから、今迄の半年間は本気ではなかったと言っている訳である。これだけ世界がダイナミックに動き、APEC横浜、ASEAN+3などの重要な国際会議に、仮免許の心算で参加していたと言うのである。菅直人の不覚悟も甚だしい。この間に菅直人と面談した各国の首脳は、この発言を聞いたら一体何と思うであろうか。この一事を取っても、菅直人は到底日本の国政を委ねられる器ではなかった。
 一方で鳩山由紀夫輿石東のような生けるミイラや、その他大勢の小沢親派の声が喧しい。原口一博は国会喚問を「政権交代の立役者の首を差し出すような事」と言うが、小沢が終始一貫主張しているように、身に一点のやましい事もないのなら、別に首を差し出す事にはなるまいに。鳩山由紀夫は「(民主党の人気が凋落している)こういう時こそ、党が一丸となって」と言うが、来年の通常国会での予算審議の目途も立たない民主党の足を引っ張っている主因の一つが、自身も関係している政治とカネの問題ではないか。小沢一郎が取り敢えず国会で説明すれば、野党が予算審議に応じないとしている問題の一つは消える。党を割っているのは偏に小沢一郎が頑なに国会で国民に説明する事を拒んでいるからに他ならない。鳩山は、矛先を間違えている。批判するなら執行部ではなく、小沢に向けられるべきなのである。小沢の国会喚問は党の分裂を惹き起すなどと脅迫じみた事を言う者もいるが、僕に言わせればそれもこれも偏に小沢一郎が国会で説明責任を果たさないからである。代表選の時は、国会が求めれば何時でも説明する、と嘯いていたがいざとなればそれも口ばかりであった訳だ。或いはひょっとすると、民主党議員は皆小沢はクロだと知っていて、必死に庇っているのであろうか。そうであるなら、小沢親派の発言はむしろ分かり易い。
 今日テレビに出て来たNHK世論調査では、相変わらず小沢一郎に国会での説明を求める声は76%、それに対し説明の必要はないと言う声は僅か11%と言う。検察審査会による起訴は起訴として、国民はやはり小沢一郎の説明を求めている。ところが、数日前に小沢派の松木謙公は党執行部を批判して「今国民が求めているのは、小沢の国会喚問などではなく一刻も早く景気対策を打ち、予算審議を始める事だ」と言っていた。こういう時の「国民の声」と言うのは一体何に基づいているのであろうか。都合の良い時だけの口から出まかせに聞えて仕方がない。しかも予算審議の目途が立たないから執行部が色々と野党対策を画策しているのではないのか。
 何時までこのいい加減な、しかも内部分裂がかなり深刻になって来ている民主党の政権が続くのであろうか。衆院選の時のマニフェストも財源不足で殆どが反故になっている。最早完全に馬脚が現れてしまった。総選挙をしても今は勝ち目がないから菅直人は簡単には解散しないであろうが、民主政権が長引けば長引くほど日本のダメージは深刻になる。そしてそのツケは若い人に回されるのである。