baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 2010年は中国の存在が

 今年も後4日で終わろうとしている。この一年色々あったが、僕には中国の存在の大きさをまざまざと実感させられた一年であった。ありきたりの感想だが、偽りのない実感なのである。
 中国は多くの日本の文化のルーツだからであろう、好き嫌いを離れた、DNAに刷り込まれた何かがあるように思う。数千年の歴史を通して育まれた何かである。しかし、この半世紀の僕の経験からは、そんなDNAの存在を感じながらも、中国には何処か心を許せない。個人的には勿論良い人もいる。同じ中国人でも出身地によって性格が随分と異なるから一言で言うには無理があるし、外国にいる二世、三世の華僑となると共産政権も知らない人もいるので、これもまた中国人とは似て非なるところもある。 しかし、概して中国人は功利的、実利的、現実的であり、特に大陸の中国人は僕等に対しては高圧的、時には非礼である。モラルが低く、金になるなら何でもする。
 そういう人達が中国だけで13億人もいて、広大な地域を領有しているのだから実際恐ろしい。しかも昨今の開放経済で急激に力を付け、経済的には豊かになる反面、相も変わらぬ共産党一党独裁で教育から情報開示まで徹底的にコントロールされているので、国民の偏った思考は時代錯誤も甚だしい。そういう教育を受け、そういう情報しか知らされていないという事実すら認識していない人々が、見掛けや身なりが僕等と同じ、或いはそれ以上に上等になっているので、僕等もついつい洋服の中身も僕等と同等と誤解してしまうが、実態は実は未だ僕達とは程遠い。
 そんな中国が、温暖化ガスの排出では世界全体の20%をも占めようというのに屁理屈をこねて自分達だけ楽をしよう、金儲けをしようとする。GDPでは日本を抜いて、世界第二位の経済大国になったのにである。アフリカ、中南米、アジアでは、溜めこんだ外貨を見せ金にして資源を買い漁る。発展途上国のインフラ整備に手を貸して属国化する。ここ10年、年間10兆円も掛けて増強して来た軍備がいよいよ結実し、南沙諸島西沙諸島尖閣列島の領有権を主張し、沖縄列島や黄海、南太平洋での軍事活動が露骨になっている。黄海では日本との境界にあるガス田を勝手に単独開発し始めた。金の為なら何でもする低モラルと、実態が伴って来た武力を背景に、やりたい放題の感を呈して来た。国際社会から強く求められている人民元の切り上げには消極的で、相も変わらず外貨稼ぎに執心している。勿論、余りにも急激に経済発展してしまった反動で、国内での経済格差やインフレが顕著な政治問題となっており、人民元を簡単には切り上げられない事情があるにせよ、である。これらを一言で言えば、領土拡大の野心を露骨に剥き出し、経済的には他人に何と言われようと金儲けに徹するという本性が見えて来た、と言えよう。
 過去散々日本からの援助を取り込み経済発展してきたのだが、日本に対する恩義は一切面に出さず、相も変わらず戦時中の日本軍の残虐行為を誇大に宣伝しては、幾ら出させても未だ足りない、という姿勢である。確かに直近では中国を蹂躙したのは日本であるが、日本が近代化する前には英国やドイツ、更にはフランスやロシアにも蹂躙されていた。しかし欧州の国々はそれを悪い事だなどとは決して認めないから、文句を言っても張り合いが無い。ところが日本人はお人好しだから、文句を言われると皆頭を下げる。本来詫びる文化のない中国人に頭を下げてしまうから、益々言い募られる。僕には、昨今のやられたい放題に更にそんな思いが重なって、いよいよ中国には要注意という気持ちを強くした2010年であった。
 だからと言って、全ての中国人が嫌いという訳では勿論ないし、中国自体にも親近感を感じると言う自己矛盾がある。恐らく共産党一党独裁が崩壊すれば、もう少し付き合い易い国になるのであろう。僕の見立てではそれまでに後40〜50年は要するであろう。願わくば、その時にはチベットとウィーグルが独立出来れば良いと思うのだが、それはともかく、当面は中国と付き合うには慎重の上にも慎重に、そして相手の非は毅然と追及しなければならない。内輪もめに明け暮れて党内の規律も保てない今の政権では望むべくもないが、政府には外交をしっかり展開して貰わないと中国と言う大国には日本が飲み込まれかねないのである。