baiksajaの日記

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 今日の話題

 アリゾナで、民主党のギフォーズ下院議員がスーパーマーケットの駐車場で演説中に暴漢に1mという至近距離から頭を撃たれて重体となっている。犯人は更に約20発を乱射して、付近にいた子供を含む市民6名を射殺し、7名に重傷を負わせたという。22歳の白人の犯人はその場で逮捕されたが、共犯者がいる可能性もあるとして捜査が続いているそうである。犯人はギフォーズ議員に反発し、ギフォーズ議員の周囲にいる市民は皆敵だと言っているらしい。そのギフォーズ議員は先般の中間選挙共和党候補に4000票という僅差で勝利したばかり、昨日は今年初めての演説会だったと言う。
 アリゾナと言う場所柄、犯人は反オバマ、反民主党の人種差別主義者かも知れない。何処であれ、人がいれば必ず精神異常者や狂信者はいる。そういう人物が凶器を手にすれば、正に気違いに刃物である。刃物で大量殺傷した秋葉原の通り魔事件が未だ記憶に新しいから偉そうな事は言えないが、やはり銃が野放しになっているから起きた惨劇ではなかろうか。1mの至近距離から頭部を撃たれたら、銃や弾丸の性能にもよるとは言え、中々助からないであろう。20発も撃ったという事は、用意周到に予備のマガジンも持参していたと言う事である。マグナム弾やホロー弾でなかった事がせめてもの救いである。銃が自由に持ち歩ける国は恐ろしい。他所の国の事とは言え、やはり銃は規制されてしかるべきである。

 西岡武夫参議院議長が、昨日発売になった月刊誌に「菅・仙石には国をまかせられない」という文章を寄稿したというので話題になっている。さっそくネットで取り寄せたものが今朝届いた。西岡武夫と言えば、ベテラン議員だが落選も経験している、酸いも甘いも知り尽くした、いつもきちんとした身なりが印象的な議員である。小沢一郎自由党を作り、自民党を離党した経緯があるから小沢寄り議員かと思っていたがこの文章からはよく分からない。或いは現執行部を批判すること自体が小沢寄りという事か。
 そこでは彼は、仙石由人の暴言、放言と、菅直人の思い付き発言を糾弾し、現政権の政治哲学、国家観の欠如を嘆く。尖閣諸島問題で、首相と外相が不在の時に、那覇地検の次席検事に検察が恰も政治的判断をしたかの如き会見をさせて、当の政権幹部が責任から逃避してしまった事を憤る。自身が長崎県選出である事も影響していると思うが、諫早湾干拓事業に関わる福岡高裁の水門の開門判決に対し地元との相談も無しに早々と上告放棄を宣言した菅直人を、スタンドプレーだけの男と批判する。子供手当のバラ捲きは、恰も社会主義的発想と揶揄する。しかしその何れにも、表現や濃淡に多少の差はあれ、全く目新しい意見は見られない。反論したくなるような意見はない代りに、日頃僕がこのブログに書いている事と大同小異の陳腐な意見ばかりであった。それどころか糾弾の筆は非常にマイルドで、石原慎太郎の文章などとは桁違いに大人しい。どうも文章から推測するに、自分で書いた文章ではなく、誰かに聞き書きをさせた文のようである。
 それよりも、幾ら西岡武夫は昔から一言居士で自説を曲げない議員だとは言え、民主党の議員が公然と首相や政権幹部を批判するところに、今の民主党が抱える根の深い問題が垣間見える。党の結束は薄弱で、総理や幹事長のリーダーシップが全く欠けている。だから小沢一郎の国会招致一件で、こうも長時間引っ張られ、党は二分され、尚且つ小沢一郎には良い様にあしらわれてしまうのである。西岡武夫が言うように、政権に日本の未来像や経済立て直しの具体的方策が無いのは正にその通りで致命的な欠陥だが、同時にただでさえ捻じれ国会で政権運営が危ういのに肝心の与党すら全く纏め切れない民主党幹部には、誰の目にも日本の国は任せられない。そもそも寄り合い所帯の民主党の馬脚が現れて、今や足並みが全く揃っていない。かと言って、それなら自民党なら大丈夫かと問われれば、相対的には多少増しかもしれないが、これも極めて危ういのだから僕達には今の処明快な解が無いのである。