baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 今年は調査捕鯨を道半ばで中止

 農林水産省は、シーシェパードの妨害行為により「船団の安全を確保するのが困難」という理由で今年は捕鯨船団を予定より早く帰還させる事にしたと、今日鹿野道彦農水相が発表した。曰く「シーシェパードの妨害行為は我が国の船団、乗員の財産、生命を脅かすもの」だそうである。何を今更の感は否めないが、実際今年は妨害行為がエスカレートし、危険なレーザービーム照射や発煙筒の投げ込みも例年以上であったと言う。その結果本年の捕獲頭数は、当初目標の900頭を大きく下回る172頭に過ぎなかったそうである。大金を叩いて遠方まで船団を派遣して、民間企業なら倒産しても可笑しくない算盤勘定である。
 この日本側発表にシーシェパードは意気軒高、来年は更に4隻目の高速船を投入すると快気炎を上げている。代表のポール・ワトソンの下品極まりない顔は得意満面である。豪州政府も、日本側の発表を好感すると言う環境相の談話を発表する一方、足下のシーシェパードの無法行為は完全に黙認の体である。対する日本側の対応と言えば、相も変わらず「抗議」と「遺憾」だけである。だから民間団体にまで舐められ切ってしまうのである。こんな理屈抜きの暴力に一方的に屈する事は、民主主義を自ら否定する事になるのみならず、日本政府が捕鯨反対の世論に押し切られた事になるのだが。そして、正にシーシェパードの思う壺に嵌ったと言える。
 僕はシーシェパードの行為は海賊行為であり、ソマリア沖の海賊と何ら異なる処はないから、自衛隊を派遣すべきであるという持論を調度一年前にこのブログに書いた。ところが、今年も民主党政権は何ら具体的な対策を講じる事無く、今年は昨年以上の妨害を受けついに尻尾を巻いて退散する事になった。絵に描いたような「無策、無気力」である。これでは、派遣される調査捕鯨員が気の毒である。
 日本は別に悪い事をしている訳ではない。国際捕鯨委員会で国際合意された枠内で捕鯨をしているに過ぎない。それを理屈抜きで、他国の食文化は頭から無視して、自分勝手な理屈で暴力行為に終始するシーシェパードはもはやこれ以上のさばらせてはならない。ソマリア沖に海賊から船舶を護る為に自衛隊を派遣している日本であるから、増してや自国の船舶とその乗員の安全の為に自衛隊南氷洋に派遣するのは当然の事であろう。シーシェパードは多数の船艇を投入しているから、ヘリ搭載艦が必要である。敵はこちらを舐め切ってやりたい放題であるから、少し痛い目にあわせなければいけない。
 公海上での他の船舶に対する暴力行為、海賊行為を法治国家である日本が看過してはならない筈である。昨年ブログを書いた時には正直「少し極端で現実離れしている処もあるけれども、何時も弱腰の日本政府にはこの位発破を掛けて調度良かろう」と思いながら書いていたのだが、今年は「だから一年も前から言っているじゃないか。敵は海賊なのだから自衛隊を投入してでも我が国の船舶と人命を護りなさい」と本気で思っている。
 勿論、国際社会に対する日本の立場の説明と、日本の正当性を常にアピールする外交は忘れてはならない。それと、シーシェパードには「仮に今後も同様の海賊行為を続けるなら、日本人の生命と財産を護る為に、日本政府は国際法に則って断固たる措置を取る。斯かる警告を無視し続けた場合に出るかも知れないシーシェパード側の人的、物的損害には日本政府は一切の責任を持たない」旨の警告をしっかりと、何度でも発信しておかなければならない。更に、豪州政府に対しても、シーシェパードの取り締まりを含む具体的な要望を、強硬に突き付けなければならない。シーシェパードがのさばっている大きな理由の一つに、豪州政府に黙認されていると言う増長がある。その豪州政府自身が国際合意を無視する、自国の感情論を押し通そうとする、殊この件に関しては、無法国家なのである。一度宣戦布告でもチラつかせてみたら、少しは対応が変わるであろうか。
 民間団体に舐め切られるようでは、竹島北方四島の問題解決など望むべくもない。世界は常に変化しており、武力行使に対する考え方も常に変わっている。そんな中で日本の国益と、法治国家日本の権利擁護、日本国民保護のために、為すべき事は断固実施しなければならない。今から自衛艦を派遣しても、遅きに失したとは言え中途撤退よりは未だ増しである。