baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 信州は生憎の大雨だった

 今日は以前から信州や群馬の裏道を爆走しようという約束の日。数日前から天気予報が雨になってしまったので、天気は諦めてはいたが、雪が降らないかぎりは約束を守るのがバイカーと、意気込んで7時半に家を出た。その頃の東京は未だ薄陽が射していたので、何とか半日ぐらいは保つんじゃないかという期待もあった。
 今日は信州在の、ちょっと前までは自らレースにも出ていて、今はレースの監督をしている根っからのバイク好きの誘いである。彼とはバイクだけの付き合いで、お互い個人的な事はよく知らないが、実に気の良い快男児である。よくよく考えて見ると、バイク仲間とは殆ど話をした事がないから、余計な事は知り様がないのである。でも一緒にいる時間はそれなりに長いから、バイクの乗り方で人格は分かるし、何だか旧い友人のような気持ちになれるのである。
 彼は地元とは言え、信州界隈の裏道を隅から隅まで熟知しているので、殆ど車が通らない山道を彼を先導に爆走するのである。彼やその仲間は気楽に流している積もりのようだが、こちらは必死に付いて行こうとするのに、やはり少しづつ引き離されてしまう。僕のバイク、今日はZZR-1200、は性能では決して負けていないので、結局は腕が違うと言う事である。一度僕が何かミスをして少し距離が開いてしまうと、二度と詰められない。それの繰り返しで段々引き離されてしまうのである。
 朝9時に関越の上里SA集合だったのだが、今日は道が空いていて8時半には着いてしまった。今日集まったのは総計6人。結局僕が一番最後で、3人は初顔であった。信州の男と、もう一人のロシア系オーストラリア人と久しぶりの再会を祝してコーヒーを飲んで、9時になったのでいざ出発。松井田から下道に出て、着いて行くのに精一杯だから何処をどう走ったのだか良く分からない。時々知っている道に出るのだが、また直ぐに横道に入ってしまう。結局未だに何処を走ったのだかさっぱり分からないのだが、草津の手前からパノラマラインに入って最後は上田に抜けたのだけは理解出来た。
 残念ながら天気予報通り10時過ぎから雨が降り出し、10時半位からは本降りになってしまった。場所によっては道が川のようになっている。前を行くバイクの轍が、モーターボートの航跡のように泡になって残っているのだから、相当の雨脚に違いない。特に山道は滑るので、僕には怖い。一度だけコーナーで後輪ブレーキを軽く掛けていたらマグレで旨い具合に後輪が横滑りしてくれて非常に具合よくコーナーを回れたが、大概はコーナーに入る前に後輪が大きく横滑りしてしまって転倒しそうになるので二度とこんな芸当は出来なかった。あの技術をマスターしたら大分楽なのだが、雨じゃないと練習も出来ないし、まあ一生無理であろう。とにかく良く滑るので、僕の爆走は中位になってしまった。
 流石に大雨の中では誰も長距離走る気にもなれず、12時半過ぎに東部湯の丸で解散した。ずぶ濡れなのでお昼を食べるのも面倒で、僕はそのまま帰宅した。途中本当に酷い雨で、ヘルメットのシールドの中側にまで雨滴がついてしまい、視界が悪くて閉口した。高速道路ではヘルメットの内圧が多分マイナスになっていて、雨を捲き込んでしまうのであろう。埼玉に入って多少雨脚も弱まり、東京に入ったら未だ殆ど降っていなかった。2時過ぎに自宅着。総行程は、納車前にチェックし忘れたが、多分430km前後。家に着いて直ぐに、強風が吹き始め直に大雨になった。嵐のような風だった。僅かに半日のツーリングだったが、恐らく明日は全身筋肉痛であろう。