baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 技術革新

 日本のスーパーコンピューターが7年ぶりに世界一の座を奪還したと言う。日本では民主党政権マニフェストの財源捻出に必死のあまりスパコンの開発費用を削ったりした挙句に、前回はついに追い上げ激しい中国が1位になったりしたのでがっかりしていただけに、今回は心底嬉しいニュースとなった。僕には「いとかわ」の無事生還並みに嬉しいニュースである。
 スパコンについては、日頃縁がないのでどんなものかは以前は実は具体的なイメージは持っていなかった。それが数年前に、息子に具体的に話を聞かされて吃驚したものである。スパコンの中には一般にも貸し出しをしている物もあるそうで、彼は研究か何かでスパコンを使った事があるらしくて良く知っていた。普通の大型コンピューターなら何ヶ月も掛る計算を数日で終えてしまうと聞けば、性能的にその位違いがあると言うのは漠然とは分かっていても、具体的に聞けば俄然身近に感じる物となる。膨大な建屋にびっしりとコンピューターが詰まった、化け物のような物だという話も、理屈では分かっていても実際に話を聞くとまた現実味を帯びたものである。
 今般の演算速度世界一の日本のスパコン「京」と名付けられている。そのものずばり、兆の上の位の京が名前になっている。来年度の完成を目指しているそうだが、実際のCPUの増設は今年の8月に終わるそうで、83,000ヶのCPUが864台のラックに並ぶと言う。壮大な景観であろう。と同時に、一体どれぐらいの空調設備が入るのか、何トン位の冷凍機が必要となるのか、興味津々と言ったところである。完成時には毎秒の計算能力が1京回に達する予定だと言う。現在のところは未だ8,162兆回だそうだが、それでも中国の天河1号Aの2,566兆回の3倍以上の大差を付けている。IBMも京と同じ程度の性能のスパコンを開発中で、今年中には完成予定であったが、開発が遅れていて日本が世界一になった。しかし、やはり僕の様な普通の人間には毎秒1京回と言うのがどの位物凄いのかが分からず現実感に乏しい。4.5GHz位の普通のパソコンを1千台同時に使って40分近く掛る計算が1秒で出来てしまうとか、「いとかわ」の軌道修正の計算に従来これこれ掛っていたものが瞬時に出来る、と言った言い方に翻訳して欲しい物である。
 スパコンの開発費を削る為に民主党の仕訳人蓮鈁が、「どうして1位でなければいけないんですか。どうして2位ではダメなんですか」と言った時には僕はこのブログで悲憤慷慨したものである。その蓮鈁がこのニュースでインタビューを受けていたが、曰く「(自分の主旨が誤って受け取られているが)前後をちゃんと聞いて貰えれば本意が分かる筈です」と答えていた。自分の発言が引き金となって、その後ノーベル賞受賞者や産業界などから集中砲火を浴びて自分の馬鹿さ加減が白日の下に曝されてしまったので、必死に軌道修正を図っているものと見えるが、冗談ではない、僕は前後をしっかり見て悲憤慷慨したのである。実際、あの時の蓮鈁は、元グラビア・アイドルの知能程度では理解出来ない話を俎上に上げた上に、予算を削って少しでもマニフェストに回す事しか頭になく、更に政府の役人の上げ足をとって生中継で良い格好をするのが目的のようにしか見えなかった。未だ民主党人気が全盛であったのである。その彼女が、未だ僅か1年半位しか経っていないと言うのに、のうのうと事実を歪曲しようとするのだから呆れてしまう。菅直人は別格としても、斯くも政治家とは厚かましくも面の皮の厚い人種である。
 パリで20日から始まった世界航空ショーで、エアバス製造の親会社であるEADSが東京―パリを2時間半で結ぶ超音速旅客機の開発計画を発表したと言う。この手の航空機の開発計画は以前からあり、一時は日本でもJAXAか何処かが開発しようとしていたが、最近とんと話を聞かないので多分頓挫しているのであろう。EADSの話は完成予定が2050年と言うから、残念ながら僕は生きていたとしても、未だ生きている予定なのだが、もう100歳近くになっているから、恐らく健康体であっても年齢を理由に乗せて貰うのは無理であろう。
 しかし成層圏をマッハ5で飛ぶというから、出来る事なら一度乗って見たいものである。殆どロケットのような構造らしいから、離着陸、特に離陸時のGは相当なものなのであろう。バイクの加速でも頭から血が下がるのが分かるから、一体どんな乗り物になるのであろうか、興味津々である。それにしても、日本の開発計画はどうしてしまったものか。