baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 日本中がほっとしたニュース

 今日は恐らく、近来稀な、日本中がホッとしたニュースが流れた。菅直人が約束通り、三つの条件がクリアーされたら辞任すると初めてはっきり答弁したとのニュースである。何時まで居座るのかと、そしてその先に何を見ているのかと、得も言われず無気味であったが、さすがに外堀も内堀も埋められて落城を覚悟せざるを得なくなったようである。菅直人自身、まさかと思った三条件が今臨時国会々期中に法案成立しそうなのである。僕は個人的には、子供手当てで与野党が歩み寄った事で、赤字国債法案は間違いなく通ると思ったが、再エネ法は簡単に通して欲しくなかった。しかし、これも3年後の見直し条件で与野党合意をするらしい。まぁ、3年位なら良しとしようか。それよりも、願わくばこのまま何もなく、今臨時国会々期中に代表交代をして欲しいと切望するのである。
 後任は誰でも良い。菅直人鳩山由紀夫よりは多少増しであったが、それでもこれ程酷い宰相はそうそうはいないと思う。次の総理も所詮は民主党から出て来る訳だから、経験と言い決断力と言い、更には自縄自縛で官僚を使えないから、大した政策は期待できないがそれでも誰が出て来ても菅直人よりは増しであろう。いやっ、そうでなければいよいよ日本は立ち行かなくなるから困るのである。
 次政権には内政はもとより、先ずはここ半年以上も停滞している外交を一刻も早く立て直して欲しい。先ずは領土問題である。北方領土竹島も、ロシアと韓国に蹂躙されっ放しではないか。無為無策の菅政権はおざなりの抗議だけで、何も実効がある対策を打てないでいる。尖閣諸島事件の、漁船長と称する情報員を無条件で解放したのと同じレベルで、菅内閣は外交のなんたるかを全く理解していない政権なのである。新政権には稚拙は致し方ないとしても、多少なりともまともな、世界で受け容れて貰える外交を期待したい。益々軍事力を強化し、ついに初めての航空母艦が大連港を出港したと言う中国にも、断固たる意気地を見せて欲しい。そして昨今頓にキナ臭くなってきた西沙諸島南沙諸島でも、米軍と共同して東南アジアの平和を守り、無茶苦茶な中国を牽制する義務が日本にはある。
 TPPも同様、日本の経済の将来を大きく左右する事案であるが、大震災以降菅政権の足元が危ういので全く議論されていない。最大の懸案は国内農業の扱いだが、震災で色々と一次産業に弊害が出ている今こそ、被災地の諸氏には申し訳ない言い方だが、改革の好機だと思う。実際、僕が以前このブログで提案した共同農業が被災地で始まったと聞く。偏に政治がリーダーシップを取れば、農業改革、その先にあるTPP加入は夢物語ではない。9月の日米首脳会談がどうなるかは僕が知る処ではないが、出来れば当初目論んでいた9月の首脳会談に向けてTPPについての国内の意見を集約して欲しい。FTAEPAで日本に大幅に水を開けている韓国が、今年は対EU輸出を初めとして6割からの輸出の延びであると言う。今迄の民主党の、鳩山・菅のマルドメ政権では手も足も出せなかったが、輸出立国の日本の輸出ドライヴを新政権では是非強力に推進して欲しいと思う。
 今の政府の円高対策も、語るに落ちる。日本の実力で70円代などあり得ない。野田財務大臣や白川日銀総裁のような地味で不器用な男には、海外の投資ファンドを相手に相場を張り合う力量はない。ここはもっと官僚を活用して、徹底的な通貨防衛をするべきである。中国の元を見るが良い。あれだけ諸外国から元が安すぎると避難を浴びながらも、もうここ数年急激な元高は完璧に回避している。小泉政権時の日本の介入は今とは一桁違った。だからこそ、100円代を維持出来た。やる時には徹底してやらねば、結果は中途半端に終わる。今の政権の対円高措置は一体何なのだろう。その結果、この四半期の日本企業の海外での投資は前期比35%も増えたと言う。日本の物造りが着実に衰えているのは、円高の影響が一番大きい。そして、国内の製造業の衰えは国内の雇用環境の益々の悪化に繋がる。政権運営の経験がなく、事が起こる度にどう対処して良いのか分からない民主党政権である事は分かる。でも、それなら官僚の知恵を使えば良い。官僚にやりたい放題にやらせるのではなく、上手に官僚の知恵を利用するべきなのである。
 財政健全化も急務である。散々借りまくったツケを少しでも減らし、少しでも早く赤字を帳消しにしなければならない。子供の代までは否応なしに引きずるであろうが、子供の代の負担を少しでも軽減しておくのが我々、今の大人の責務である。その為には決して本意ではないが、増税も已むを得ない。とにかく、一刻も早く、口だけではなく実行の伴った、財政健全化に一歩踏み出して欲しい。増税が票に繋がらないのは当然である。でも理を尽くせば、分からない国民ではない。政治が逃げてはならない、喫緊の懸案である。
 健全な企業活動が経済を活性化し、経済が活性化して初めて豊かな社会が実現する。社会が豊かになれば国民の心にもゆとりが生じ、世間も和やかになる。今迄の民主党政権は、企業を虐める事はあっても支援する事は皆無であった。社民党が連立を組めるほど、左傾化していたのである。新政権では、幸い社民党とは袂を分かっているのだから、左翼志向とも決別して、人気はないながらも少しでも日本の国益に資する政策を実行して欲しいと思う。特に、幾ら国内政局が忙しいとは言え、決して外交をお座なりにしてはならないのである。それと、票集めのバラ捲き政策はもう底が割れたから、潔く出直した方が良い。