baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 分裂状態の民主党

 菅直人の居座りにもやっと何とか決着が付いたかとホッとしたのも束の間、民主党内は想像以上にバラバラである事が早速露顕している。菅直人が殆ど与党の支援なしで居座っていた事からも、元々党内が一枚岩でないのは分かっていた。しかし、その分裂ぶりは相当なものと見受けらる。
 先ず執行部や野田佳彦のように、今後の政権運営は自公と協力しなければやって行けないと言うグループがあるのに対し、鳩山グループ小沢グループが真っ向から反対している。何の為の政権交代だったのかと自公に擦り寄る姿勢を鋭く批判し、相変わらず教条的な発言を繰り返しているようである。
 そして代表選候補となると、これがまた夥しい。確かに、前の総理が鳩山由紀夫菅直人だから、これなら自分にも楽に出来ると思う人間が沢山いても不思議はないが、それにしてもこれ程の名前が上がるとは。独立直後のバングラデシュでは、政治家一人々々がそれぞれ一言居士でお互いに妥協しないものだから、政治家一人で一党立ち上げるが如き様相で政党が乱立していたが、今の民主党も表向きは民主党と言う名前の下に纏まっているが、実体は当時のバングラデシュに似ているのではないかと思えて来る。旧社会党民社党から流れて来ている議員も多々いるようだから、ある意味では当然な事なのかもしれない。
 岡田克也前原誠司、仙石由人、などは実際に出るか出ないかは別として、そのキャリアーから名前が上がるのは当然である。そこへ現財務相野田佳彦、前国交相馬淵澄夫、元環境相小沢鋭仁が声を上げ、現経産相海江田万里も虎視眈々と言う。昨年9月の代表選で菅直人とその座を争った樽床伸二も自らのグループから立候補一任を取り付けた。更には鹿野道彦赤松広隆の名前まで上がっている。赤松と言えば昨年、宮崎県で口蹄疫騒動が勃発した時に、ゴルフ三昧で初動が遅れ、その後も暫く対策が後手後手にまわり全く危機管理能力が無い事が露呈してしまった人物ではなかったか。こんな人物が総理になったら、それこそ日本は転覆してしまう。何れにしても当面はこれだけの面々が、それぞれ総理の座を目指しているのである。勿論全員が国会議員20名の推薦を得られるとは思えないから、途中で誰かが脱落するであろうが、暫くはそれぞれが水面下で懸命に画策し、場合によっては表立って異なった政策を掲げて論戦を展開する訳である。
 論戦のポイントは、一つにはマニフェストの取り扱いであろう。財源も伴わず、また必ずしも国民に支持されていない、既に破綻が明らかなマニフェストを飽くまでも民主党の旗印として死守したい頑迷組と、マニフェストは見直す必要があるとする現実派とがぶつかり合う。そこでは当然の事ながら、バラ捲き4Kも争点となる。次に増税であろう。震災復旧・復興財源に10年位の期間を区切って増税をする、或いは社会保障費捻出の為には消費税増税は已むを得ないとする良識派と、今増税を持ち出せばただでさえ人気の落ちた民主党は次の総選挙が戦えない、と票集めが全てに優先するグループの鬩ぎ合いがある。そして原発の取り扱いである。菅直人も一時は「郵政改革」を見習って「脱原発」で衆院解散を狙った節もあるが、各種世論調査によれば意外に国民は冷静で大きな流れと目先の現実を区別しているようなので、菅直人の思惑は外れてしまった。しかも、再生可能エネルギーはコスト的にもその不安定性でも、今の技術では当分主役の座には着けない。結局頼りになるのは火力発電と、極く限られた水力発電しかない現実の前に、取り敢えず来年の春ぐらいまでに全て止まってしまうかも知れない原発の再稼働をどうするかは目先の大きな争点となろう。
 しかし、僕としては国内の問題ばかりではなく、何時も言うが、国内の農業や漁業の改革案を示した上でTPPに加盟するとか、領土問題は断固として日本の領有権を主張し、韓国、ロシアの実効支配強化には力を持って対抗する事も辞さない位の決意とか、東シナ海や南太平洋の安全保障の為に日本も空母を建造するだとか、もっと外向きの政策にも言及して欲しい物である。衰えたりとは言え未だ世界第三位の経済大国日本が、国内の事にしか目が届かないようでは国際社会の笑い物である。