baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 お先真っ暗

 この頃は未だ現役の人と会えば誰と会っても、民主党政権無為無策や、党内の足の引っ張り合いがもたらす政治の空白を嘆くばかりである。実社会で働いていて、多少なりとも経済に関与している人から民主党政権を支持する言葉は一言も出て来ない。先日も某ガス会社の幹部と食事をする機会があった。気の遠くなる様な円高もガス会社にとっては天佑であろうと水を向けると、「とんでもない、ガス会社は今は大口需要者向けで食べている。ところがこの円高や投資環境の悪化で国内の空洞化がどんどん進み、今や円高の恩恵で喜んでいられる身分ではない。経営の先行きは真っ暗だ」そうである。
 そんな民主党の代表選が、いよいよ民主党の分裂に拍車を掛けている。馬渕澄夫は「民主党に如何に人材が豊富かという事の表れ」と無理なこじつけを言って強がっているが、実体は如何に人材が不足していてどんぐりが背比べをしているだけか、如何に党内の纏まりが無くなっているか、が如実に表面化しているに過ぎない。週刊誌の見出しに到っては「泡沫候補の乱立」だそうである。次期総理になる人物が泡沫の一人と言う訳だ。最近になり、また小沢一郎グループと鳩山由紀夫グループを十把一絡げにして小鳩グループなどと呼び出したが、党内最大派閥の小鳩が自派にはそれぞれ擁立候補がおらず、かと言って誰を支持するかを明確にしないから益々党内は纏まらない。海江田万里は元々は鳩山派だったが、辞任の時期を逃し、その上国会で涙を見せてしまった事から今は支持を失っていると聞く。小沢一郎党員資格停止処分を撤回する事で小沢派130人の票を取り込もうとしているようだが、小沢一郎も「あいつはダメだ」と言ったとか、言わないとか。前原誠司も一旦は出馬しないと言いながら、また決心が揺らいでいるようだし樽床伸二も意欲満々、鹿野道彦もやる気のようだから、結局僕が先日書いた人物は皆立つのかも知れない。とにかく本命がいないから大乱戦である。
 人材不足で経験もないから、マニフェストも含め政策も生煮えばかりの民主党が、震災被災地への中大型自動車の高速料金無料化を今月一杯で中止するらしい。大畠章宏国交相曰く「幾ら本来の主旨を理解して欲しいと訴えても便乗利用が減らない」、ので今月一杯で中止する事を検討しているそうである。本来の趣旨は分かるが、合法的に無料になるなら誰でも無料にするのは当たり前である。制度自体が生煮えだったのである。僕に言わせれば、被災者・罹災者証明書を持っている自家用車にしても、一体何割が本当に困っている人達か分かったものではない。車が流され、未だに避難所や仮設住宅住まいで車を買い直すどころではない人も沢山いる筈である。政府が実体を掴めていないだけの事で、だから問題にされないのであろう。6月末に始めたばかりの新たなバラ捲き制度が、僅か2ヶ月で破綻した訳である。お粗末極まりないし、その間に一体幾らの税金を無駄遣いしたものであろうか。事業仕分けで無駄を省くと言いながら真っ当な予算まで削ってしまった張本人が、何と無駄な歳出を心掛けていることか。
 これ程情けない与党も前代未聞だし、そこから立つ何れも負けず劣らずお粗末な泡沫候補の一人が次の総理大臣になるのなら、いっそ早く解散・総選挙をとも思うのだが、被災地の遅々として進まぬ復興支援を思うとそうそう悠長な事も言って居られない。かと言って、このお粗末極まりない政権が後2年も続くのかと思うと、ガス会社幹部ではないが「お先真っ暗」である。僕も未曾有の円高を利用して、いよいよ海外逃避したくなって来る。