baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ついに円が最高値更新

 円がついに最高値を更新して、昨日のニューヨーク市場では対ドル75.95円にまで上昇した。僕は円の実力は90円台後半だと今でも思っているので、僕に言わせれば実力の25%近い値上がりである。例えて言えば今迄日米欧のどの国の製品も同じ値段の100ドルだった物が、日本製品だけ125ドルに値上がりしてしまうのである。加えて元々同じ物が70ドルだった韓国製品や60ドルだった中国製品は、今でも70ドルであり60ドルである。こんなに日本製品だけ突如値上がりしてしまえば、本来売れる物も売れなくなるのは自明の理である。
 幾ら米国の財政に問題があるとか、米国債がS&Pに格下げされたからと言って、日本の財政だって破綻寸前であるし、そもそも日本の国債などはイタリアと同列で、米独仏からは大きく見劣りしているのが実力である。そこへ来ての大震災と津波による北部太平洋沿岸の壊滅的な被害に加え、福島原発の終わりの見えない放射能汚染問題である。そして菅直人の亡国のスタンドプレーのツケで、電力不足も長期化しそうな雲行きである。これだけ経済が痛めつけられている日本の円がそこまで強い筈がない。偏に無為無策の日本政府が、海外の投機筋に付け込まれているだけである。
 昨日は日本政府の高官が、日本は突然の為替介入はやらないと発言したのがきっかけで、円がまた急上昇したのだと言う。今朝のニュースでは野田財務相が相も変わらず「じっくりと、しっかりと推移を見守って、必要に応じて週が明けたら適切な措置を講ずる」と悠長な対応をしていた。国債の格付けには疎くて、円高には全く反応しないバカ菅内閣であるが、それにしても対応が酷過ぎる。そもそも政府高官の発言が事実だとすれば、麻雀で言えば「絶対に闇テンはしない」と言っている訳である。それならば相手は日本がテンパイするまでは何を切っても安全なのだから、自分が少しでも良い手になるようにやりたい放題である。昨日書いた東北道の中大型車の高速料金無料化ではないが、相手がどう動くかが全く読めない素人政権なのである。
 財務相にしても、75円という前代未聞の高値圏に突入しても尚、じっくり、しっかり、週が明けたら、としか言わない。これでは投機筋に舐められ切っても仕方がない。総理大臣が無能で偏に財務相が任されっ放しなのだから、野田佳彦は本来はもっと主体的に動かなければならないのである。そして世界を相手に、不気味さを売り込まねばならないのである。あの男は何をやらかすか分からない、口で言っているそばから正反対の事を顔色一つ変えずにやる、こりゃ要注意だ、位に思い込ませなければ投機筋は抑えられない。そしてやる時は20兆円でも30兆円でも、徹底的に突っ込む事である。闇テンで、いきなり役満でも上がらねばいけない。おずおずと中途半端な役作りをしていては、結果が出ないだけでなく益々舐められる事になる。
 こんな交渉事も出来ない男が総理になれば、外交などは相手から見れば赤子の手を捻る様なものであろう。領土問題の進展などは望むべくもない、何とも背筋の寒くなる話である。だが、取り敢えずは円高を何としても阻止して貰わねば困る。このままでは日本の産業の空洞化に歯止めが掛らず、雇用情勢は悪化の一途を辿る。税収は落ち込み、観光産業は閑古鳥が鳴き、国内市場は益々縮小する。
 無能な与党を選出したのは国民の衆愚であるから国民にも一半の責任はあるが、だからと言って何時までも素人でございと開き直られては国が立ち行かない。中国の「元」防衛を見習って、日本も形振り構わずに円防衛に注力しなければならない。70円台などという途方もない円高は、国の存亡を賭けて闘わなければならない国難である。一体民主党には、それだけの危機的認識があるのであろうか。