baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 野田内閣の懸念

 野田内閣が組閣された。世論調査によれば、取り敢えずは随分支持が回復したようである。この数カ月、完全に政治の空白期間になってしまっていたから、誰もが期待するのは当然である。僕だって新内閣には、少しは頑張ってしっかり政治をして欲しいと思う。とは言えまたぞろ経験不足の素人大臣が顔を揃えているのを見ると何とも背筋が寒くなるのだが、今は元々経験皆無の民主党が与党なのだからそこは目をつぶり、暫くお手並みを拝見しようと思う。さはさりながら、どうにも懸念が払拭出来ない閣僚人事がある。
 民主党が政権を取った時には分からなかったが、民主党と言うのは「反自民党」で結集した人達の政党なので、右は自民党と殆ど変らない思想の持ち主から左は共産党よりも極左の人達が集まった集団である事が分かって来た。これは先日石波茂がテレビで言っていた表現だが、言い得て妙である。反米の鳩山由紀夫、反米・親中の小沢一郎、そして親北朝鮮の極左だった菅直人、彼等に比べれば野田佳彦は遥かに穏健に見える。言っている事も具体性に欠けるのが難だが、余り違和感を感じずに聞いていられる。何よりも鳩山、菅と違うのは、発言にブレがなく、思い付き的な軽薄な発言も今の処見られない事である。総理としては極めて当たり前の事なのだが、この2年間最悪の総理が続いた後だけに、この当たり前が頼り甲斐があるように思えてしまう。返す返すもこの2年間が酷過ぎたから、その意味では野田佳彦は少し得をしている。
 ただ、挙党態勢と言う掛け声の下で派閥懐柔優先で組閣をしてしまったから、これからの政策運営がどう展開するのか予断は許さない。今日は新内閣を批判するのが目的ではないので、日頃僕が目の敵にしている元グラビアアイドルなどは取り敢えず登場せず、極めて公平な論評に徹するつもりである。それでも、小沢一郎懐柔で真っ先に官房長官になった「動くミイラ」は、虎の威を借りているだけで自分には実力もないのに、逸早く小沢一郎党員資格停止処分の見直しを言い出している。この様に派閥均衡人事の名の下に、不適材不的所人事になっている歪みがあるので、今後は其々の閣僚がどの位勉強し、本当に国益を守れるかを注視して行く必要がある。そして思想的に、或いは能力的に無理な大臣には早々に辞任して貰わねばならない。
 先ず危ない大臣の筆頭が経産大臣の鉢呂吉雄である。この男は元々社会党出身で、農協をバックにしている政治家である。日本の経済・産業界を背負って立つ大臣にしては、どうしても企業虐めのイメージが拭えない。日本の経済復興は、産業界が力を取り戻し、国内への投資を再開し、雇用を促進して初めて成し遂げられるのだという根本を正しく理解しているかが甚だ疑問な人選なのである。焦眉の急である法人税減税については本音ではどう思っているのかも是非問い質したい。福島瑞穂のように、企業の減税などとんでもないと思っているのではなかろうか。しかもこんなマルドメの男にTPPへの対応など期待して良いのであろうか。TPPには色々異論があるが、少なくとも経産相が推進派の音頭を取らなければならないのに、こんな農協出身の、正に反TPPの巣窟出身の男にそんな重要な仕事は勤まる筈はないと思うのだが。
 以下は順不同だが、国家公安委員長山岡賢次も危ない。この男は元々朝鮮半島出身と言われており、小沢一郎共々親中派である。そして外国人参政権付与などの、どう考えても日本の国益に反する政策の推進者である。そういう男が拉致問題も担当するのだが、北朝鮮や中国と特別に親密な大臣に、ここで言う親密とは外交ルートがあると言う意味ではなく文字通り親密なのであるが、日本国の安全が本当に守れるのか、拉致問題解決の為に本当に北朝鮮と互角に渡り合えるのか、僕には甚だ疑問である。この男の政治資金の出処も菅直人同様分かったものではない。自分では山岡荘八の息子と言うが、実は血は全く繋がっていない。
 一川保夫防衛相も信頼が置けない。元々は農林省の役人だが、国家の安全保障には縁が薄かった男である。だから自分で「自衛隊の事は素人だから、文字通りシビリアンコントロールが出来る」と豪語する程で、シビリアンコントロールの何たるかすら理解していない大臣なのである。鉄のカーテンが無くなって以降、ある意味で各国が平場で凌ぎを削り始めた今の世で、中国軍の急激な軍備拡大や北朝鮮の挑発行為だけではなく、韓国の竹島不法占拠、ロシアの北方領土不法占拠など、外務省と連携しつつ時には自衛隊としても毅然とした行動を取らねばならぬ事もあるかも知れない時に、何とも暗愚な大臣を戴く事になってしまったのである。
 小宮山厚労相も左翼思想を持つ危険人物である。この人は子供手当ての推進役であり、大臣就任第一声でも子供手当てに拘った。正にバラ捲きで大衆に迎合して人気を取る、税金の無駄遣いで民主党への票を買う政策の推進者である。そして何よりも危険なのは、例の北朝鮮と癒着している「市民の会」へ3,560万円の献金を行い、2,500万円の献金を受けている事実がある事である。2,500万円は北朝鮮のマネーローンダリングだと言われている。この人も菅直人と同類の、北朝鮮と癒着している政治家だと言える。当然の事ながら、外国人参政権付与は積極的に推進している。彼女に言わせれば、日本に住んでいれば日本人なのだそうで、日本の国籍はどうでも良いらしい。僕は出自はどうであれ、日本の国籍を所有している者が日本人としての権利と保護の対象であると確信して止まないのだが。日本を外国に売り渡したがる、第二次大戦を引き擦って劣等感の塊のようになっている人間が日本の政治家になっている事に呆れてしまう。
 未曾有の円高への対応を迫られる安住淳財務相は、その手腕が不安である。性格的には相当な我儘と言われており、財務相という重要なポストで官僚から総スカンを食わねば良いと念じる。懸案が目白押しの玄葉光一郎外相も、経験がないだけに不安は隠せない。特に最近はとみに話題にならなくなってしまったが、普天間問題の早期解決は日米関係の修復の要である。鳩山由紀夫がこれでもかとばかりにこじらせてしまい、菅直人が無責任にも放り出してしまった難問であるから、一朝一夕に解決しないのは分かるが、せめてお題目だけではない具体的な道筋を早く付けて欲しいと思うのである。領土問題、ガス田開発問題などでは、大臣が自らもっと毅然たる発言を発し、必要に応じて行動を起こして欲しい。相手の一方的な実効支配強化をただ指を咥えて見ているだけで、抗議と言えば精々日本の大使が相手国の外務省に抗議を伝え、駐日大使に外務次官が抗議をする程度で良い筈がない。
 外交、財務、防衛などは海外との待ったなしの駆け引きが要求されるから、各大臣には冷静に、自信を持って、国益の為に頑張って欲しいと思う。こうして書き始めてみると、頼りない人ばかりなのだが、とにかく党利党略どころか自分の派閥の為になどと言う姑息な考えは持たずに、分からない事は分からないなりに官僚の知恵も借りて、少しでも政治らしい政治を心掛け、この2年間の空白を埋めて欲しい。そして何にも増して、野田佳彦のリーダーシップと党内意見統一のお手並みを見せて欲しいものである。