baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 八ッ場ダム工事再開

 八ッ場ダムの工事再開がやっと決定した。地元の茨城県を含む関係地方自治体の一都六県が全て工事再開を要請し、地元住民は既に移転を開始していて、代替道路や橋梁の建設は既に終わり、総予算の70%が既に消化されているダム工事を、民主党衆院選マニフェストで工事中止を約した為、政権奪取と共に当時の国交相であった前原誠司が地元の意向にも関係地方自治体の要望にも一切耳を貸さず、問答無用と無視して工事を中断させてしまった事業である。しかも工事を中断するのに要する費用は、工事を予定通り完成させるよりも膨らむと言うのに、そう言う事もあり得ると強弁した。
 僕はこのダム建設が適当であったのか否を今更論じるつもりは毛頭ない。セメントが絶対的な悪であるという決めつけには俄に賛成しがたいが、これが設計段階での議論であれば大いに意見を闘わせ、環境保護と治水をバランスさせた最良の方法を導けば良いと思う。しかし本件では、問答無用で時計の針を逆戻りさせようとした民主党の強引な手法に強く反感を感じるのである。何でもかでも大型公共事業に投資するのは最早時代遅れである事ははっきりしている。ダムや干拓事業でも、見直しすべき事業は沢山ある事には僕も同感である。しかし、工事の進捗が7割とも8割ともいわれる八ッ場ダム工事をマニフェストの目玉に据えて、その事業を強引にストップさせようと言うのは票集めの為のスタンドプレーとしか思えない。前原誠司国交相を下りた後に、民主党政権が諮った有識者会議もつい先日建設が妥当との結論を出した。
 そのスタンドプレーの張本人である前原誠司は、今般の工事再開決定に際しても最後の最後まで強く抵抗し、民主党政調会長である立場を利用して「八ッ場ダム工事再開の予算を来年度予算に入れるなら国交省の予算自体を認めない」と恫喝した。随分と乱暴な話である。今や大部分の地元民が、関連都県全てが、有識者会議が、異口同音に建設再開を求めているのに未だ頑強に抵抗する前原誠司の理屈は民主党マニフェスト違反だからであると言う。初めから嘘八百で塗り固めて国民をまんまと騙した民主党マニフェストなど、今や本気で信じている国民など一人もおるまい。にも拘わらずこんなカビだらけの理屈を引っ張り出して来た前原誠司の本音は、自分が国交相時代に断固建設を中止すると言い張った手前、何とかして自分の面子を守りたいと言うことなのであろう。何とも見苦しい話である。