baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 冷え込む日本経済

 本当に連日寒い。明日はもっと寒くなると言う。今日だって、東京の最高気温は朝方に記録され、昼間は温度が下がったと言うのに、明日は更に下がると言う。立春は何処へやらである。そんな東京にパリから友人がやって来た。曰く、「東京は温かいなぁ」だそうである。聞けばパリでは最高気温がマイナスなのだそうである。新年は120年振りの暖冬で10月中旬の気温とか言っていたのに、何時の間にか厳冬になったようである。連日、各地で凍死者のニュースがあると言う。最高気温がマイナスの地から来れば、温かいのかも知れないが、僕の様に赤道直下から戻ったばかりの身には堪える寒さである。
 しかし寒いのは気候ばかりではなく、日本の経済が本当に冷え込んで来たようである。貿易赤字については先日も本ブログに書いたばかりであるが、昨年の経常黒字が前年比44%も落ち込んだそうである。更に追い討ちを掛けるように、日本の1月上・中旬の貿易赤字が上中旬の数字としては過去最大の赤字を記録したと言う。東日本大震災やタイの洪水など色々と原因を謳う論調もあるが、やはり産業の空洞化の帰結と無為無策にもう1年近くも続いている異常な円高が最大の原因であり、原因が一時的ではないからこの傾向は今後も続くと見なければならない。
 これが米国のように広大な平坦な国土と充分な資源を持っている国であればそれほど悲観するには当たらないが、日本の様に資源が皆無の国にとっては死活問題にもなりかねない。この負の連鎖には、一刻も早く楔を打ち込む必要がある。先ずは円高を早急に断固是正し、その上で、国内農業の再編、国際競争力のあるエネルギーの安定供給、法人税見直しを初めとする投資環境の整備、等の政策を大胆に進める必要がある。
 今日は仕事で広告業界の人と面談した。広告業界もご多分に漏れず不況だそうである。「元気の無い国内企業に頼っていても立ち行く筈が無いので、どんどん海外へ目を向けている」そうである。広告業界の如きサーヴィス業にまで空洞化が始まっているのである。コンビニの出店も、今や国内の新規出店数を海外出店数が遥かに上回るようになって来ている。確かに、ジャカルタでもセブン・イレブンが随所に目に付くようになった。日本からの出店である。
 そんな話を聞いている中に、ふと思い当る事があった。東南アジアの飛行場から街へ出る道すがらの広告塔である。40年前は、猖獗の地であったダッカから僅か3時間のバンコクへ出ると、其処彼処に日本の会社の広告塔が溢れていて、若い身には文明の地に戻った感慨で眼頭が熱くなったりしたものである。ところが昨今は日本製品の広告が本当に減っている。現地に製造工場を持って地元で販売している商品は別だが、日本の企業イメージの様な広告は殆ど目に付かなくなっている。代わりに韓国の広告が目に付くのと、国籍に関係なく地元市場を意識した広告が氾濫している。ここにも日本企業の凋落が見て取れる。
 これは最早一企業の力で乗り越えられる限度を超えている不況であるから、早急に断固とした政治の介入が求められる。