baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 色々な人と 〜 エルピーダの会社更生法

 今日は図らずも色々な人と出会った一日である。先ず、午後早くに自分のホテルから出る処で、昔よく見かけた顔見知りの人物とばったり出くわした。一瞬誰だったか頭を巡らせていると、先方から満面の笑みを浮かべて近付いてきた。その瞬間に思い出した。スハルト時代からワヒッド大統領の時代まで閣僚を務めていた男であった。僕は時々彼の自宅で行われるカラオケ・パーティーに呼ばれていたのである。久しぶりに旧交を温め、周囲にいる人達と名刺交換をした。
 その直後に知り合いを夕食に誘おうと電話を入れた。すると彼の主催するパーティーが今夜開かれるので、是非来てくれと逆に誘われてしまった。元より食事に誘うくらいで、特段の予定もないから厭も応もない。東京で言えば帝国ホテルのバーを借り切った様な、生バンドも入った立食パーティーだと言う。彼の会社の30周年記念パーティーなのであった。
 行ってみれば、日本で言う経団連の会長に当たる人物だとか、市中銀行の頭取だとか、大物が沢山来ている。昔馴染みの日本人も沢山招待されている。何れも懐かしい顔ぶればかりである。昨年交替したばかりの駐インドネシア大使は一時帰国中だったが、大使夫人は単独で参加していた。そんな人達に挨拶し、昔馴染みと近況を語り合ったりしていたらあっと言う間に名刺が無くなってしまった。元々それ程色々な人に会う予定など無かったから、名刺入れに入る程度の名刺しか持って来ていない。昔は何があるか分からないので、海外に出る時はいつも箱ごと持ち歩いていたものだが、不覚であった。顔馴染みには後からメールをするから、と失礼を詫びたが、大失態であった。しかしお陰で有意義な一時を過ごす事が出来た。
 ホテルに戻り日本の新聞の電子版を開いたら、エルピーダ会社更生法申請の記事が真っ先に目に飛び込んできた。DRAMでは唯一の日の丸メーカーで、カリスマ経営者と言われた坂本幸雄を社長に迎え、技術流出が怖い程台湾との提携を強めてコスト削減に注力してきた会社である。そのエルピーダでもダメだったか、と言うショックが走った。
 最近はパナソニックソニーNECなどの電気大手の膨大な赤字決算の話ばかりであった。何れも一時は日本の輸出産業を背負って立つ看板メーカーばかりである。それが軒並み大赤字である。理由は個々には色々あろうが、何といっても一年以上も無為無策に放置されてきた円高が最大の原因である。為替介入のレートを得々と公言する、信じられない程馬鹿な安住淳、やる事なす事周囲の予想の範囲内の事ばかりの白川方明。無能な政府と日銀に一年以上も放置され、今や80円になれば喜ぶような高値に張り付いてしまった円の下では、輸出産業が生きて行ける道理がない。こんな素人政府は早くひっくり返さないと、日本の産業はもう持たない処まで追い込まれている。