baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 消費増税法案閣議決定

 消費増税法案が今日やっと閣議決定された。民主党内の議論だけで8日間も費やした挙句に意見の集約が出来なかった訳だが、これでやっと国会審議が始められる。野田佳彦は決してカリスマ的なリーダーではなく、自分で言う様に如何にも泥臭いが、それでもTPPと言い消費増税と言い、世論に迎合する事無くこれ迄のところ信念を貫き通している。僕は反民主党なのだが、鳩山、菅と続いた超無責任政権の後だけに、野田佳彦にブレが無いのは善しとしたい。
 この決定に対して、民主党内部では小沢一郎とその取り巻きが、断固反対と怪気炎を上げている。国会での採決でも徹底抗戦すると息巻き、本音か嘘か、政務三役などの役職に付いている議員は辞職すると言い出しているそうである。小沢一郎はこういう議員を益々焚きつけている。小沢が何を狙っているのか分からないが、民主党はそんな具合でまるで与党としての纏まりが無い。異なった意見を戦わせるのは良いが、最後に結論が出たら本意であろうと不本意であろうと結論に従うのが民主主義である筈なのに、この与党の議員は不本意だと形振り構わず最後まで抵抗する。所詮政策で纏まった政党では無く反自公政権で一つになった政党だから、こういう局面になるとあっと言う間に馬脚が出てしまう。
 国民新党亀井静香が連立解消と言い張っている。国民新党は元々国会運営での数合わせで連立したもので、議員総数が僅かに8人と言う泡沫政党であるから野田佳彦にしてみれば連立離脱が致命傷とはならないという読みもあろう。しかし亀井静香が娘と二人で連立解消と息巻き、他方で残りの6人の議員は政権残留というのだから、これは表面上はもう完全に分裂である。とは言え僕には甚だしく亀井静香のパーフォーマンスの臭いがするのだが、昨晩辺りからの亀井静香の言が奮っている。曰く「誰が何と言おうが、代表はこの私だから、私が連立離脱と言えばそういう事だ」と言うのである。所詮互選で選ばれた代表に過ぎないのに、何とも甚だしい時代錯誤である。小沢一郎も同様の勘違いをしている様に見える。若手の取り巻きを集めては、盛んに消費増税などあり得ないとぶち上げて、一人悦に入っている。
 小沢一郎亀井静香の共通している論点は、衆院選の時には消費増税はしないとマニフェストに謳った、或いは連立の時の条件とした、と言うものである。この二人は、今消費増税をしなかったら日本が如何なるかと言う議論では無く、相も変わらず「マニフェストに謳っていない、約束が違う」と己の面子で反対しているようである。選挙で有権者を騙したのはその通りだが、そんな事を言い出せば衆院選が終わった直後に、ガソリンの暫定税率廃止と言う公約を撤回したのは当時の幹事長小沢一郎である。その後も財源捻出、子供手当て、高速無料化、等々公約違反を論えばキリがない。この男に限って、今更こんな理屈を言う資格はない。この二人の頭には、相も変わらず何れは右肩上がりの時が来る、消費増税に賛成すれば次の選挙で票が集まらない、程度の事しかないのであろう。二人とも20世紀の政治家であり、もう化石になってしまったようである。
 誰でも増税は厭である。全ての物価が実質値上がりするのだから、家計に響かない訳がない。しかし日本は、その値上がり分以上の物を今迄に既に使ってしまっていたのである。自分が使ってしまったものを自分で穴埋めするのは致し方が無い。ただ、使い過ぎている時には何も言われていないのに、後になって突然使い過ぎたからこれから穴埋めしろ、と言われても何だか釈然としない。だからと言って払うのを逃げれば、結局は自分は楽が出来ても子供や孫が肩代わりする事になる。そんな無責任はしたくないから、やっぱり諦めてこれから自分達も少しづつ払うしかない。
 消費税でなくとも、他にも財源があるだろうと言う意見もある。勿論税金の事だから、他で増税する事は可能であろう。しかし、消費税は一番公平である。誰でも自分がお金を使えば、その使った金額に応じて払う税金である。消費増税により景気が冷え込むと言う意見もある。確かに増税当初の数か月は消費が落ち込む事は間違いなかろう。しかしその期間を過ぎれば、結局は元に戻ると思われる。今だって普通の人はそれ程贅沢をしている訳では無く、日頃は必要最小限の物を購入して生活している筈である。そして必要最小限の物は、そう簡単にそれ以上削れるものではない。だから、それ程の心配には及ぶまいと思う。そんな後ろ向きの心配をするよりも、どうしたら日本の経済が再生できるか、どうしたら産業の空洞化に歯止めが掛るか、を皆で積極的に考え具体的な手を打たねば、どっちにしても日本の景気は冷え込むのである。