baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 外国人労働者

 関越道のバス事故の大惨事については、相変わらず国交省がバス会社の運行管理責任を問われており、色々な規制の改定案が論じられているようである。しかし運行規定や運転手の管理規定を、国交省が杓子定規に一律に決める事にはどうも賛成し難いのは先日書いた通りである。こういう事故をきっかけに政府の規制が強化され、その結果自由競争が阻害される事のマイナスの方が遙かに大きいと思うからである。しかも、労働条件などを表面的な数字で一律に規制する事の効果にも多大な疑問がある。
 そんな折から耳に挟んだのが、今回のバスの運転手の河野化山は中国人、正確には日本国籍を取得した元中国人で、前科があり、バス会社とは日雇い契約であったという。しかも日本語が覚束ないので、警察の取り調べには中国語の通訳を介していると言う。また、今回の勤務前には3日間の休みを取っていたというバス会社の説明だが、件の運転手は実際にはこの3日間は別の仕事をしていたと言う。日雇いであるならば出社しない日の事は会社も管理しないから、十分あり得る話である。これらの全てが事実かどうかは僕には分からないが、もし事実であったとすれば事は国交省の管理指針や規制以前の問題である。運転手自身の自己管理の欠如は糾弾されて当然だが、しかし人命の安い中国から来た人間を幾ら責め立てても大した意味は無い。所詮は自国民のデモ隊に平気で実弾で射撃して殺害する国から来ているのだから、乗客に犠牲者が出てしまった事にどこまで自責の念を感じているかは疑問である。それよりも、尊い人命を預かる仕事をするバス会社の責任が極めて重大である。警察は単に当日の労働時間や走行距離などという表面的な問題に止まらず、日本語が出来ず、地名もSAの名前も定かではない運転手が大型バスの運転に適性があったのか、そもそも大型二種免許の取得に身代わり受験などの不正はなかったのか、そういう運転手を日雇いで雇うバス会社の管理体制に非はなかったのか、など根本的な問題を徹底的に追求して欲しいと思う。
 外国人が安い給与で厳しい労働環境にも甘んじるから、益々日本人の労働条件が悪化し、雇用機会が減ってしまう。外国人労働者が一方的に悪いと言うつもりはないが、外国人の参入により労働市場に歪みが生じていると言うことは現実であろう。今回のバス事故に限って言えば、運転手は日本の国籍を取っているのに外国人と言うのは正しくないのだが、この運転手が日本国籍を取得出来た理由である残留孤児の家族と言う事にも実は疑惑があるらしい。
 我が国では外国人労働者の受け入れについては確固たる政府の政策も、また国民の側のしっかりとした覚悟もないまま、外国人登録者数だけがこの20年で急激に増加している。2009年末の在日外国人登録者数は220万人である。これに少なく見積もっても100万人は下らないと言われる不法就労者を加えれば、既に300万人を優に超える外国人が日本に長期滞在している事になる。このうち何人が就労しているのかは僕には分からないが、恐らく200万人前後の就労人口ではなかろうか。夥しい数である。これらの外国人労働者が日本の労働市場に騒擾を起こさぬよう、またドイツ、フランスを初めとする昨今のヨーロッパでの外国人労働者排斥運動のような、凶暴でムシの良い国粋主義的な運動が将来日本に起きぬよう、政府も国民もこの問題の根本をしっかり見据えて腹を括る必要がある。今回の悲惨な事故は、外国人労働者問題について日本全体が考える良い切っ掛けになるのかも知れない。