baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ジャワ海をクルージング

 ジャカルタの北側にはプラウ・スリブと呼ばれる、小さな珊瑚礁の島が沢山ある。1日休みがあったので久し振りに、ボートを調達してプラウスリブにクルージングに出た。港を出れば直ぐにジャワ海の外洋となるので風も潮もある事に加え、操舵に不慣れな船なので最初は針路を保つのに苦労する。下の写真が調達したボートで、320馬力の船内機を2機装備している。

 キャビンには冷蔵庫、マイクロウェーブなどが完備していて簡単な料理なら可能である。突き当たりがベッドルーム、左側にも二段ベッドがあり、右側にはトイレとシャワーが付いている。大きくはないけれども中々豪華なボートである。

 「プラウ・スリブ」とはインドネシア語では「1000の島」と言う意味だが、実際には144あるそうである。大きな島には宿泊施設が整っている処もあるが、無人島も沢山ある。個人が持っている島もある。昔はJALが島を一つ開発して、ジャカルタから高速艇を運航して東京から直行のツアーを毎日催行していたが、アジア通貨危機の頃を境に無くなってしまい、その後はJAL自身の破綻もあり今ではついぞ聞かなくなってしまった。


 モーターボートだと近い島にはジャカルタから1時間弱で到着する。そこからは小さな島が次々と続いている。飛行場のある島もあり、小型機は離発着可能である。もっとも滑走路には舗装はなく、草が生えている。珊瑚礁だからシュノーケリングでもダイビングでも、水の中を見ていれば飽きることがない。珊瑚とイソギンチャクの間を擦り抜けて魚が寄ってくる。大きなウニが針をゆっくりと動かす。ジャカルタから離れれば離れるほど、水は澄み、空の色は深くなる。


 暫く名も知らぬ島に碇を下ろし、ゆっくりした。地元の漁師が素潜りで漁をしていた。

 1時間半ほど浅瀬でたゆたい、それから近くのレストランのある島に向かった。そこは島と言うよりは珊瑚礁に柱を打って建物を乗せたような場所である。既に先客のクルーザーが来ていた。そして僕たちの後からは20人前後の団体が2組入って来た。

 遠くから見れば小さく見えたボートも、近くで見たら280馬力の船外機を3台も取り付けた、50ノット位出そうな物凄いスピードボートであった。

 海は限りなく透き通っている。

 未だ客の入っていないレストランは、オープンスペースで海風が心地よい。


 食事の写真を撮るのを忘れていた。もう終わりかけていて、魚などは殆ど影も形も無くなっている。真ん中にあるのが空心菜、その手前は野菜や生揚げになまこやイカ、エビが入った鍋料理の残骸である。

 午後は何処の海でも同じだが、風が強くなって少し波が出た。久し振りの海鮮料理に舌鼓を打って、時々波飛沫を浴びながら帰りは一路ジャカルタを目指した。沖からジャカルタを遠望すると、空気が少し茶色く色付いているのが分かる。この日は風もあり、休日で車も少ないので大した事は無いが、それでもれっきとした公害である。


 晴天に恵まれ、海も穏やかで、久し振りのクルージングを堪能した。