baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 待ちに待ったツーリング

今日は大分以前から約束していた昔の後輩二人とのツーリングである。一人は免許を取って初めてのツーリングで僕にいきなり日光の「いろは坂」へ連れて行かれて未だに恨んでいる男、もう一人は今年還暦を迎えて一年発起してリターンライダーになる男、二人とも未だ現役なのでなかなか時間が合わず、結局2ヶ月も先の今日が約束の日であった。約束した当時は僕は未だ新しいバイクが納車されるか分からず、またリターンライダーの男は未だバイクも持っておらず、レンタルバイクで参加する予定であった。しかし僕に、いきなり大型バイクでツーリングするのは危険だから、一度ライディングスクールで錆を落とした方が良いと勧められ、ライディングスクールへ行った処がすっかりバイクの味に魅了され、結局新しいバイクを買っての初参加となった。
 当初はこの年寄り三人組だけだったのだが、少し彩りを付けようと別の昔の仕事仲間の処に今年入社してきた関西出身の新入社員がやはりバイク乗りで最近実家からバイクを送らせたばかりと言うのがいたので、その男を電話で一本釣りしたら二つ返事で参加との事、流石にバイク乗りは気持ちが良いと一人ほくそ笑んでいたら、後から昔の仕事仲間が言うには「○×さんに誘われたら断れませんよ」との事で、道理で顔も知らないのによくぞ出て来ると少し驚かされたのにも合点がいった。さらに昨晩になり、これも昔の仲間で先日一緒に志賀高原へ行った男が入れてくれと言うのでOKし、都合年寄り三人、若者二人の程良い人数になった。
 当初はレンタルバイクを借りる予定の男に都合が良いように、行く先は彼の家の方角に当たる房総半島と言う事で決まっていたので、8時半に東金道路の野呂PAで待ち合わせる事にした。久し振りの晴れ間だからであろう、朝から高速は結構混んでいて約束の時間ぎりぎりにやっと全員集合した。初参加者や未だお互い同士顔を知らない者もいるので、僕は少し早めに出たので30分も待つ羽目になった。先ずお互いの自己紹介を終え、何処へ行こうかと相談。いきなり南房総へ行くと時間が余るし午後は混むので、まず犬吠埼へ行こうと提案し同意を得た。犬吠埼へ行くのは久し振りである。関西上がりの子は勿論行ったこともないので、日本で一番朝日が早く昇る処だと宣伝して出発した。
 PAの出口で整列して、走り出したところ合流地点まできただけでもう後が見えない。僅か200mほどの距離で150mも差がついてしまったのである。初参加の男の腕試しと僕が少し飛ばした事もあるが、その男を二番目に入れたからである。因みにこの男のバイクはナナハンのVTR、もう一人の年寄りはパパサン・ハーレー、新入社員は400ccのブーリバード、昨晩の飛び入りの男は250ccのグースだから、元より僕のペースで走るのは無理な顔ぶれである。覚悟はしていたのだが、それにしても今日は我慢の一日になりそうだと改めて臍を固めたものである。東金道路では70kmの制限速度で走っていても、直ぐに後が遅れてしまう。軽トラがどんどん追い抜いて行く。下道に下りてからも信号の度に最後尾が無事に渡れたかと後ろを見るのだが、間が伸びてしまっていて後ろを見るのも一苦労、しばしば路肩で待つ事になった。
 それでも無事に犬吠埼に到着した。久しぶりの犬吠先は何だか少し寂れたようである。以前は大きな土産物売り場が2−3軒並んでいたのに、今日は土曜日だと言うのに1軒しか開いておらず他はシャッターが下りている。もう10時だと言うのに観光客は少なく、車を駐める処はガラガラで、何だか少し寂しかった。

 久し振りの犬吠埼灯台。周遊道路を歩いて居る時に霧笛が鳴ると度肝を抜かれるのである。僕達以外にもライダーが来ているようである。

 以前は磯には遊歩道が整備されていて磯まで下りられたのだが、今は下りる道が閉鎖されている。中央右に遊歩道の残骸が見えるが、恐らく大震災の時の津波で破壊されてしまったのであろう。それが理由で磯にも下りられなくなったのだと思われる。

 以前は鈴なりだった展望台の人も、今はまばらになっている。
 皆一休みして、潮の香を胸一杯吸い込んで、次の目的地を白子にしてまた走り出した。年寄りの一人が白子に美味しい店があると言うので、そこでお昼をする事にしたのである。新米年寄りは白子ハーフマラソンで走った事があるので懐かしいと言う。白子までは30号線をひたすら南下し、目的地の浜清丸と言う店に着いた。そこでお薦めの海鮮丼を頼んだら、写真のような肉厚な刺身が丼からはみだしている。魚は新鮮で美味しかったが、僕は見ただけでお腹が一杯になってしまって半分も食べられなかった。

 店の前に並べた5台のバイクは中々壮観である。

 食事の後、次の目的地をどうするか相談結果、大山千枚田を見たいという声が上がった。僕も行った事がないし、海沿いを館山まで下っても別に海が見える道を走る訳では無いのでそこへ行くことにしてまた出発した。鴨川まで128号線で海沿いを下り、そこから34号線で内陸に入る。当初は嶺岡林道を走る案もあったのだが、地元のガソリンスタンドで訊いたら道が悪いと言うので無難に34号線を行くことにした。目的地の千枚田は有名らしく観光バスが何台も来ていたが、一帯は全く商業化されていなくて店の一軒、自販機の一台も設置されていなかった。田んぼは高齢化が進み、ボランティアの力を借りたりして昔からの景観を守っていると言う事のようである。インドネシアに行けばジャワやバリなど、何処ででも目にする棚田の光景であった。


 今日の処はここまでは渋滞にも遭わず、渋滞を覚悟していた鴨川シーワールドでも全く渋滞がなく道中は快適であった。しかし最近は木更津に出来たアウトレットの影響で木更津近辺とアクアラインの混雑が酷いと聞くので、今日のところは大山千枚田から真っ直ぐ姉ヶ崎を目指し、館山道で解散する事にした。幸い姉ヶ崎までも渋滞には遭わず、無事に館山道に乗り、市原SAで一休みして再会を約して解散した。僕は首都高の9号線に入ったところが大渋滞で事にならないので、途中からC1に逃げて銀座、芝公園を経由したのだが三宅坂でまた渋滞につかまってしまい、結局は代々木で下りて下道で帰宅する羽目になった。どうやら今日は遠出はせずに近場に出掛ける人が多かったようである。総行程410kmと、丸一日走った割には情けない数字であった。