baiksajaの日記

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 英国が洋上風力発電に注力

 英国が洋上風力発電に13兆円を投じ、今後の再生可能エネルギーの主力にすると言うニュースがあった。洋上に7000基の風力発電機を設置し、3200万kwの電力を発電する計画だそうである。3200万kwは、原発30基分に相当する由である。こう言う将来ビジョンこそが、我が国に切望される政治であると思う。
 それに引き替え我が国の現状は、天下の悪法である再生可能エネルギーの全量買い上げ保証と言う新たな制度が今月から始まった処である。この買い取り制度に適用される買い取り価格は、例えば太陽光発電では42円である。42円と言えば、普段我々が消費している電力の凡そ2.5倍という途方もない高値である。しかもその差額は全額我々消費者に転嫁され、今後買い取り量が増えれば増えるだけ消費者の負担は制限なしに漸増する仕組みである。この悪法は、鳩山由紀夫を初めとする民主党議員や国民を欺いて政権にしがみついていた菅直人が、その延命期間の3ヶ月の間に無理矢理成立させた再生可能エネルギー関連の特別措置法である。
 この法律の裏には、菅直人を陰で操る孫正義の存在があったと言う。42円と言う法外な買取り値の決定に際しても、孫正義の強力な影響力が働いたと聞く。これが東南アジアなら、誰もが孫正義から莫大な政治資金が菅直人に流れたと信じる話である。孫正義の側にすれば、それ位しても軽く算盤が合う話だからである。そして、ソフトバンクはこの悪法を悪用して全国に250ヶ所の太陽光発電所を建設する計画だそうである。それやこれやが全部稼働し始めると、買取り価格の逆鞘で一般家庭に転嫁される費用は一軒当たり2000円近くに上ると言う試算もあるらしい。冗談ではない。東電の値上げとは桁違いな、法外な話になる。しかも今の処、この悪法に買取り量の上限は無い。
 僕は本ブログに何度か書いているが、太陽光発電などは所詮は補助電力の域を出ない、地熱発電も地域発電にはなるかも知れないが能力も小さく主力とはなり得なずしかも資源に寿命がある、地上の風力発電も日本の地形では余りにも制約が多く無理がある、しかも何れも環境破壊の問題が付き纏うとして、洋上風力発電か波動発電が日本向きの将来の再生可能エネルギーであると主張して来ている。ところが現実には、今の日本には未だ菅直人がごり押しした信じ難い悪法ぐらいしか具体策がない。そして、将来のエネルギー像も無きままに始まった今月からの買取り制度に、僕はただただ無力感と日本政府に対する憤りを感じていた処なのである。
 そこに忽然と出て来た英国の、しっかりとしたバックボーンの通った政策のニュースに、心底羨望の念を禁じ得ない。英国は日本より日照時間が短く、元々余り太陽光発電には向かないと言う事実はある。しかし、周囲を海に囲まれていると言う、世界的にはそれ程多くない環境条件では日本と共通している。その条件を目一杯活用するこの政策は絶対に正解であると思う。英国はこれから20年位を掛けて、原発30基分の風力発電設備を整備して行く訳である。
 日本は、無責任な利益追求しか考えていない再生可能エネルギーによる発電設備の認可は一刻も早く止めにして、英国同様、長期的且つ主力設備となり得る再生可能エネルギー政策をしっかりと確立すべきである。そして、走り出してしまった事業は今更止められないが、後続の事業を止めるべく早く再生可能エネルギー特別措置法を葬り去るべきである。さもないと、倫理観の欠片も持たないソフトバンクの如き企業に、消費者のなけなしの生活費が吸い取られてしまうだけで、将来的にはその犠牲に見合う成果は絶対に見込めないと確信する。この比類無き悪法に、どうしてメディアが斯くも温和しいのか、理解出来ない。原発廃絶などと言う念仏を唱えている暇があれば、早く具体的な代替エネルギーを確保すべきなのである。