baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 日朝協議

 連日の猛暑と熱帯夜で最早青息吐息であったが、今日は東京でも久しぶりの雨が降った。それで少しは涼しくなるかと期待したが、夕方まではまるでサウナに水を撒いた趣で、温度は下がらず湿気だけ上がったようで却って蒸し暑く感じる始末であった。しかし夜半にまたシャワーが何度か降ると流石に秋を感じる涼しい風が吹き込んで、久しぶりにエアコンを止めて休む事が出来た。それにしても熱帯夜と言うネーミングをした人は熱帯の夜を知らずに付けたものであろう、熱帯には何とも失礼なネーミングである。熱帯の朝晩はヒートアイランドの東京よりも何層倍も過ごし易い。
 日朝協議の下打ち合わせが課長レベルで持たれ、当初の予定を一日延長してまで話し合いが続いた処を見ると相当突っ込んだ下準備がなされたと思われる。お互いに未だ相手を信用していないから口は堅いが、今月中旬には更に高レベルの局長級協議が為されそうな勢いである。イスラエルと並ぶ世界最凶のテロ国家である北朝鮮だが、日本からは手漕ぎボートでも辿り付ける距離にある隣国である。少しでも友好が進めばそれに越したことはない。
 とは言え油断は禁物である。今まで外交々渉では米国をも手玉に取った名うての北朝鮮である。ブッシュ時代に米国の北鮮特使であったヒル国務次官補が、菅直人に騙された鳩山由紀夫の如く、コロリと手玉に取られていたのは未だ記憶に新しい。しかもヒルは無能な鳩山とは異なり根っからの職業外交官であるから、そのヒルを手玉に取るとは北朝鮮が如何にしたたかであるかの証左と言える。
 北鮮から見れば、日韓関係に亀裂が生じている今は日本に揺さぶりを掛ける絶好のチャンスである。日本から見れば、既得権益を放さない軍を粛清した若き指導者金正恩総書記への期待がある。スイスに留学しているから、多少は西側の良い処も分かっている筈との期待である。実際、夫人を公の場に同伴するなど、従来にはなかった開けた一面も覗かせる。将軍様の料理人と言われる藤本健二が先日訪朝した際にも、金正恩自らが夫人を初め一族を引き連れて歓待してくれたと言う話である。その際に藤本が拉致問題の早期解決を敢えて訴えた時にも、金正恩から特段の拒絶反応はなかったそうである。こうした一連の動きを見れば、未だどこかあどけなさを残す顔立ちの金正恩に対する期待も、あながち夢物語とも言い切れない。
 しかし同時に、2年前に起きた韓国の延坪島に対する170発にも及ぶ砲撃事件の陰には金正恩がいたと言う話もあれば、失敗はしたが先日の大陸間弾道弾の発射実験や核開発は正にこの若き指導者の下で今も続けられている。東アジアの平穏の為には北鮮に、これら一連の不穏な動きには早々に終止符を打ち、国内の体制変革はともかくも先ずは世界と同じ土俵で話が出来る国になって貰わねば困るのである。