baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 北米西海岸の瓦礫処理

 太平洋を渡って北米の西海岸に流れ着く、東日本大震災津波で浚われたガレキの処理費用を日本政府が負担する方向で検討していると言うニュースを読み、嬉しくなった。ボールが流れ着いたのを砂浜で拾ってくれて、元の持ち主に送り返してくれたといったニュースなら微笑ましいが、桟橋が流れ着き解体処理に500万円ぐらい掛かるので地方自治体が費用の捻出に頭を痛めている、などと言うニュースを見ては何とか出来ないものかと思っていたからである。しかも今までに流れ着いたのはごく一部の先遣隊で、本隊はこれから続々と漂着し始めると聞くと尚の事、穏やかではいられなかった。
 勿論日本は被災した側である。故意に遺棄した物ではないから誰も文句は言って来ない。国際法上は漂着物は漂着先が処分する規定になっているそうだから、国際法上もアメリカやカナダが日本に請求できる筋ではない。だからと言って頬被りしていて良いものか、と言うのが僕の率直な感想であった。ツーリングで外房へ行った時などに、波打ち際に打ち上げられている近隣国からの漂着物を目にすると、苦々しい思いがする事とも無縁ではない。夥しい数の、外国語が記された浮きや発泡スチロール、壜などが漂着している事があるのである。米国やカナダの住民が、日本語の記された漂着物を眺めて同じ思いをしているかと思うと、何だか情けなかった。
 ところが冒頭のニュースが数日前の新聞に載っていた。十数兆円の復興予算に比べれば大した金額ではないだろうし、僕たちが少しづつ割り勘で負担すれば済む話である。人口の過疎な北米の小さな地方自治体が、ガレキの処理をして呉れるだけでも感謝しなければならない。日本には同胞が困っているのを知らぬ顔で、被災地の瓦礫の処理すら拒む日本人が沢山いるのだから。
 折角ならこの際、海上自衛隊を派遣して掃海したらどうかと思う。漁船のような大型の漂流物はもとより、大きな木材や桟橋の様に見難い漂流物は船舶の航行に非常に危険である。自衛隊が積極的に掃海までして、目に見える後始末をすると同時に船舶航行の安全にも大きく貢献すれば、湾岸戦争の時のようにお金は出しているのに少しも一般の人には感謝されないと言った不合理もなく、費用対効果は数倍にも匹敵すると思われる。どうも最近の日本には面倒な事はお金で済ませようとする悪いクセが付いてしまったのではなかろうか。