baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 政治と市民の知性

 インドネシア西ジャワ州の知事選挙が来年2月に行われるのだが、インドネシアで最大の人口を抱える州の知事選なので再来年の大統領選の前哨戦として各政党とも大変な力の入れ様であると言う。ところがその立候補者の顔ぶれを見ると、元女優、元俳優、現職俳優兼映画監督、など政治には素人だが知名度では抜群の人材が並んでいる。知名度に頼った候補者を擁立して、政策や行政能力など肝心な事はそこのけで票集めを狙っている事は明白である。
 日本では3年前の総選挙で、ばら撒きやら大向こう受けを狙った非現実的な公約を謳ったマニフェスト民主党が圧勝した。結果は真っ赤な大ウソで塗り固められたマニフェストであった訳だが、国民は耳触りの良い公約をろくに斟酌する事もせずに、ものの見事にころっと騙された。その結果、稀代の無能総理や無責任総理を輩出する事となった。典型的な衆愚政治であった訳である。
 率直に言うと、中産階級が増えたとは言えインドネシアの知的レベルは未だ相当低い。米国の様な、先進国でありながら平均的な知的レベルの低い国も沢山あるから、別にインドネシア後進国だと言うつもりはないが、やはり常識のレベルは相当に低い。そういう国では知名度の高い芸能人などの方が、優秀な政治家よりも票を集め易い事は想像に難くなく、選挙に勝たなければ全く意味のない政治の世界では内容よりも勝つ事に重きを置いて候補者選びをする事は、市民の知的レベルの程度により現実的な選択として認めざるを得ないと思う。
 しかし日本の様な知的レベルが世界のトップレベルにある国でも、前述の様に実は同じような事が起きていた訳である。更によくよく思い返せば、参議院の全国区では昔から日本でも旬の過ぎた女優やアナウンサーなどが立候補しては当選していたし、都知事選や大阪知事選にお笑いタレントが立候補して当選した事もある。そして3年前の民主党の地滑り的な勝利では、嘘のマニフェストに騙されたのみならず、相当出来の悪い元グラビア・アイドルが票を集めて当選したりもした。こんな現象や、特に民主党初代、二代目の総理の出来を見ると、ひょっとすると外国から見れば日本人の知的レベルも相当低いのかも知れないと心配になってきた。
 今日締め切られたインドネシア西ジャワ州州知事選立候補者の顔ぶれを他山の石として、来る総選挙ではバラ撒きやポピュリズムに欺かれる事無く、真に日本の為になる一票を投じねばならないとの思いを新たにしたものである。