baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 節操の欠片もない政党の合従連衡

 外から覚めて見ていると、日本の総選挙は本当に無茶苦茶になって来ている。雨後の筍の如く新しい政党が出来、またその政党同士の政策を越えた統合である。みどりの風と言う、政策が何だか良くわからない左翼政党に、決して左ではないと思っていたのだが石原慎太郎に袖にされて行き場を失った名古屋の減税日本が合流し、今日はまた新しく「日本未来の党」と言うのが出来て、国民の生活第一が合流すると言う。60人からの国会議員を抱えて民主党を飛び出した小沢一郎だが裁判に勝っても一向に求心力は戻らず、日経とテレビ東京が実施した投票したい党の世論調査では支持者は1%に過ぎないと言う。これは、国会議員の数では4分の1程度のみんなの党の4分の1である。この現状に焦った小沢一郎が、風に吹かれる枯葉の如く流れに身を任せ、機を見て利を得ようとする滋賀県知事の嘉田由紀子をダミーに党勢拡大を図っているように見える。しかし幾ら手を変え品を変えても、もう小沢臭がする限りは中々票は集まるまい。
 しかもこの日本未来の党が掲げる政策は脱原発しか見えて来ない。子供手当を大幅に増やすとも言っているが、財源について問われると「小沢先生のお話では・・・・」との前置きで、十分に捻出可能だとの抽象論である。前回の民主党マニフェストと同じことを未だ繰り返している。これでは幾ら脱原発で票を集めても、如何国を運営するのかが全く分からないのだから、原発さえなくなれば他はどうでも良いような無責任票しか集まらぬであろう。脱原発を掲げる党は民主党みんなの党を初め、他にも沢山ある。僕は脱原発の実際の支持率は実は良く分からないと思っているのだが、今は少なくとも圧倒的に声が大きい脱原発を謳っている方が明らかに聞こえは良い。もともと嘉田は自分の県には原発など一基もないのに、隣の県の原発の30km件に自県が僅かに引っ掛かると言って、地元福井県を差し置いて大声で大飯原発再稼働反対を喚き倒していた厚顔知事である。売名にはぬかりはないようである。
 日本維新の会も今や訳が分からない。元々原発擁護派であった石原慎太郎脱原発橋下徹の統合であるから、幾ら小異を捨てて大同を取ると言っても余りにも無理がある統合に見える。しかし第三局としては着実に支持を拡げている様であるから、やはり政策云々ではなく顔で支持が拡がっているのであろう。前述の世論調査ではついに民主党の支持率を抜いたようである。とは言えそれで仮に政権に影響力を持つだけの議席を集めたとしたら、実際に政策を決める段になったらこの三年間の民主党の如く党内が四分五裂になるのではなかろうか。拙速且つ合理性の感じられない小沢・嘉田コンビよりは石原・橋下の方が余程安心感があるけれど、それでも到底国政を任せられる程政策が練られているとは思えない。
 政策を一にして統合した訳ではなかった事から迷走を繰り返した民主党政権のこの3年間の空白が、早くも忘れ去られようとしているのではなかろうか。政党を立ち上げてはみたものの、これと言った政策上の際立った主張もなく他党との争点が見え難くなったからと、恥も外聞もなく合従連衡に走る無節操な政治家の群れはもうお笑いである。原発以外にも、消費税、TPPなど世論を二分する議論は多々あり、国民の大多数が願っているのが経済再生、雇用の拡大である。さらに日本にとっての喫緊、且つ最大の課題は財政再建である。これらの諸問題に対する対処は国民の痛みを伴うものが大部分であるから、きれい事ではなく現実的な政策を謳って国民に理解と支持を訴えて欲しいものである。有権者も今度こそは、耳触りの良さに騙される事無く、これからの4年間を託し得る政党なり人物に投票しなければならない。今回は投票率だけは相当に高そうな事前調査結果だが、その数字が現実となるようにしたいものである。