baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

　衆院選

日々想う 日本の将来

　海外にいると日本にいる時ほど情報量がないので良くは分からないが、それでもNHKの海外放送と日頃読みつけている新聞はネットで読めるので様子は分かる。このまま行けばどうやら自民党の圧勝、民主党の惨敗で、第三極がどうなるかが今後の進展の興味になるようである。投票する側から言えば、12党もの政党が乱立して、政策・主張の違いが分かり難かったり、逆に政策の大筋は支持したいけれども気に入らない事も並記されている、など選択に苦しむ選挙である。結局は消去法で残った政党を支持するしかなさそうである。
　民主党の惨敗は仕方がない。この3年半の大失政、政権の素人運営で迷走を繰り返した事を考えれば已むを得ない。定見のない議員が多数離党し、或いは民主主義に反して自分の主張が通らないからと党を見捨てた議員が公示直前までひきも切らなかった。しかし民主党の為にはこれで良かったのだと思う。僕個人は労働組合と日教組に乗っかった民主党とは全く相容れないが、一度贅肉をそぎ落とし、有象無象のブラ下がり議員や極端な左翼議員を整理して、例え議席が四分の一になろうとも政策を一にする中道政党として出直すチャンスである。そして党の運営や執行部の在り方を固め直し、今まで行き過ぎだった朝鮮半島や中国大陸との付き合い方にも筋を通して、日本の二大政党の一翼を目指して頑張ればよい。
　僕の中での消去法ではやはり自民党が残るのだが、その自民党も何やら心許ない。中でも安倍晋三が一番心許ない。日本が戦後政治に一区切りつけて、日米関係を基軸にしながらももっと主体性のある国に脱皮するのは良い。その為に集団的自衛権を行使できるようにする、憲法を自主憲法に改正するのは賛成である。しかし行き過ぎは困る。右傾化云々以前に、今までの米国一辺倒からいきなり自主独立に舵を切ってもとても財政が付いて行かないであろう。箱モノの大乱造にも懸念がある。無用な長物があちらこちらに残され、自然が破壊された過去の繰り返しはご免である。徒に札束を乱発してハイパー・インフレを起こされても、経済の実力が伴い、国内投資や雇用、消費などがバランスよく発展しなければインフレの独り歩きになる。しかもそのインフレもほどほどにしないと、年金生活者の生活は破綻する。安倍晋三の威勢が良いのは選挙だから仕方が無いが、少し頑張り過ぎで不安なのである。
　未来の党は、民主党から小沢チルドレンを含む民主党離党者を小沢一郎共々受け容れて立党された、議員数では3番目に多い党となったが、過半が前回の総選挙では増量剤として徴発された小沢チルドレンであるから今回の再選は危うい。しかも小沢一郎の傀儡である党首の嘉田由紀子が全く頂けない。元々東京の僕には縁のない人で、大飯原発の再稼働問題の際に地元の福井県を差し置いて喧しく、随分出しゃばった婆さんだと思った程度である。しかし、この婆さんは本当に目立ちたがりらしい。何の政策も持たずに、小沢一郎に踊らされて党首になってはみたものの、何も言う事がないから卒原発と3年前の民主党と同じ事の繰り返しである。小沢一郎の受け売りで子供手当の財源3兆円は事業仕訳で出てくると言うが、同じ台詞で2度も騙される有権者が本当にいると思っているのであろうか。
　そして行程も示さずに、10年で卒原発などと耳触りのよい無責任発言である。能力的にもコスト的にも当分は補助電力の域を出ない再生可能エネルギーを増やすと夢物語を謳っているが、10年程度の短期間に原発を全て止めてしまえば、結末は化石燃料に頼り温暖化ガスを大量に吐き出すしかないのは目に見えている。その上ご丁寧に、原発輸出反対だそうである。出しゃばり女は得てしてお節介でもあるが、嘉田由紀子は正にその典型である。日本は地震大国であるから原発に色々異論が出るのは已むを得ないと思う。しかし世界で最高の品質と技術を持つ日本の原発の輸出が止められたら、原発維持を掲げる国々が多々ある中で世界の原発の品質が劣化してしまうのは明らかである。元々の世界一高い技術とサーヴィスに、更に福島で得た苦い経験で改良を加えた新たな機器やシステムを世界に還元しないでどうするのであろうか。福島の事故直後、米国と仏国から入れた放射能汚染水浄化装置が連日故障を起こしていたのが、大特急で拵えた日本製を据え付けた途端に故障のニュースが途絶えた事は未だ記憶に新しい。
　太陽の党と合体した日本維新の会は、暴走老人と代表代行の政策擦り合わせが不十分であり、早速チグハグ発言が目立っているようである。脱原発では維新の会の当初の主張が合体後は随分トーンダウンした。ところが、先日の党首討論会では石原慎太郎はその新しい政策すら頭に入っていなかったようで、政策とは異なる発言をして新聞記者に突っ込まれてしまい政策の不一致が露呈してしまった。自民党との連立でも、石原慎太郎と幹事長の発言が真っ向からぶつかっている。こういう党が政権に影響力を持つようになると、党内が割れて民主党の二の舞になるであろう事は明らかである。
　何れにしても、一票を大事にして投票しなければいけない。ところで、選挙では誰にでも、是非当選して欲しい人と絶対に落ちて欲しい人がいると思う。僕が今度の衆院選で落ちて欲しい人は沢山いるけれど、中でも日本の為に「絶対」が付くのは小沢一郎、菅直人、仙石由人と田中真紀子である。しかし悔しいかな、小沢一郎は当選してしまうのであろう。