baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 安倍晋三の2%物価上昇率の真意?

 26日の首相指名に備えて、安倍内閣の人事が大分進んでいるようである。漏れ聞こえてくる人事案を眺めれば、自民党にはやはり民主党政権時代とは雲泥の差を感じる人材の層の厚さがある。韓国で朴槿恵新大統領が選出されれば、間髪を入れずに自民党から特使が派遣されるが、特使に任命される額賀福志郎日韓議連幹事長である。個々の人材の資質の問題以前に、やはり過去の経験と人脈、官僚の扱いの相違が歴然としているのである。そういう意味では日本維新の会もいざとなると人材不足は覆い難いように思われる。
 精力的に動く安倍に押されて、日銀は従来最も拘ってきた独立性を犠牲にして消費者物価指数の2%上昇を目標とするようである。安倍晋三がデフレ脱却・経済成長戦略と唱える強引な政治目標に、日銀が力負けして、筋を曲げて妥協する形である。しかしバブル最盛期の1980年代後半ですら1.3%であった物価上昇率を2%に設定すると言うのは、安倍晋三の真の狙いは単なるデフレ脱却・経済成長ではなく、財政赤字の最も簡単な圧縮策ではないかと訝しい。
 と言うのは、インフレが昂進して例えば物価が1.5倍になれば、消費税は例え税率10%であっても税収増は現在言われている13兆円が20兆円になる。のみならず、貨幣価値が下がれば全ての税収は数字上は1.5倍になる理屈である。逆に1000兆円の財政赤字は実質670兆円に圧縮される。要するに日銀が100兆円規模で円の流通量を増やせば、ここの処僕がずっと危惧しているハイパーインフレが実現し、税収も増えるし実質的な財政赤字が大幅に圧縮されると言う筋書きではないかと思えて来るのである。
 ところが、インフレが昂進すればある程度は給与にも反映されようが、年金生活者は全く救われない。それすらも、現行では高齢者に厚い年金制度を、既得権の改正は難しいから表立って改正せぬままに実質的に高齢者を犠牲にしようという、安倍取り巻きの経済学者の謀略ではないかと思わて来る。確かに乱暴ではあるが、かなり効果的な方策であろう。その結果、高齢者に一層自殺者が増え、高齢化にも多少は歯止めが掛かる事を狙っていると言えば、穿ちすぎであろうか。何れにせよ現状脱却が先決だから、先ずは動き出して貰い、後は行き過ぎを警戒しながら監視を続けよう。