baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 安倍政権発足

 昨晩の金沢は寒かった。雪も少し降ったけれどもとにかく気温が低かったので、朝の3時頃に青空駐車場に駐めてあった車に乗ろうとしたらドアが凍り付いてビクとも開かなかった。今まで随分スキー場に夜通し駐車したりしているが、こんな事は初めてである。ただ、旧い木造民家で営業しているワインバーで、庭木に雪の積もった庭を眺めながら朝まで飲んだワインは旨かった。
 安倍政権が早速に動き出した。やはり人材の層が桁違いな自民党には新内閣にも随分と安心感がある。個々の人物評はさておいて、この人材の豊富さは民主党には未だ当分リーチが届かない。一方、未来の党は早速分裂した。総選挙から僅か10日である。随分と有権者を馬鹿にした話ではあるが、所詮は小沢一郎の傀儡であったはずの嘉田由紀子阿部知子と手を携えて本気で小沢押し込みを謀ったので党内が分裂したものである。小沢一郎から見れば酷く思惑外れであったろうが、身の程知らずで出しゃばりの嘉田由紀子にしてみれば国政に携わる党の党首になってみたら、もう引っ込みがつかなくなっても不思議はない。そもそも社民党を飛び出した阿部知子小沢一郎が同じ党と言う事自体にも無理があった。党の分裂や新党結成を繰り返して来た小沢一郎は、未来で戦った選挙に惨敗した後は党の分裂はもう織り込み済みであったろうが、引連れる国会議員が僅かに15人だと言うから小沢一郎の凋落ぶりは覆うべくもない。
 安倍晋三はと言えば、自民党政権が樹立してからは選挙期間中の演説から早くも路線修正を始めている。例えば尖閣問題について言えば、強硬路線を修正して穏健路線に向かう様である。原発再稼働についても早速トーンが変わって来ている。勝てば官軍だから、僕には何れも極めて現実的な路線修正であると思う。そもそも原発問題は多面的に評価してバランスの取れた政策を選択する事が非常に重要だと思うので、選挙期間中の自民党以外の各党の、問答無用の反原発一辺倒には到底賛同できなかった。その自民党ですら選挙期間中には歯に衣を着せて歯切れが悪かった。臆せず明快に原発は必要であると訴えたのは石原慎太郎だけであったと思う。
 原発に関して言えば、全く釈然としないのが断層の評価である。過去10万年以内に動いていれば活断層、10万年よりも更に前に動いた断層は活断層ではないという分類だそうだが、今でも生きている地球の活動を10万年もの尺度で、現代の科学で判断する事自体に未だ無理がある。だから結局は断定的な結論は出せないし、余程明確な証拠でもない限り普通は出せる筈もない。となると専門家はグレーは黒と言うに決まっている。犯罪裁判の逆である。100年単位の話であるから、何を言っても結果には先ず個人的責任を問われる事はなかろうが、それでもグレーは、例えどんなに白に近くても、黒にしておけば専門家には結果リスクは皆無である。
 現在あちらこちらの原発で、敷地内に断層が見付かったとして原子力規制委員会が調査・検討を重ねているが、結果はほぼ間違いなく「活断層ではないとは言い切れない」となるに決まっている。自然に対して無力な人類が、幾ら知恵を絞ったところで絶対的な判断など出来る道理がないから、こういう結論しか出せない筈である。勿論明らかに活断層の上に載っていて異論の余地がない原発は止めるしかないが、そうでない物は現在の科学で出来る限りの対策を講じた上で、再稼働させるのが一番妥当だと思う。熱物に懲りて膾を吹くのではなく、災害の教訓を糧として次の前進を図るべきなのである。それが今までの人類の発展の歴史でもある。と同時に、舶用エンジンに使われる小型原発のコストパーフォーマンスを大幅に改善して、例え活断層の真上に設置しようが、入れ物ごと横転しようが、事故にならない原発の開発などにも挑戦したら良い。