baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 都議会議員選挙

 昨日は都議会議員選挙であった。来月の参院選の前哨戦と称して、各党とも大変な力の入れ様であったらしいが、実際には都政についての政策論議は皆無に近く、国政を反映した各政党の人気投票と言った趣であった。想像するに、都政に関わる政策の訴えに賛同して候補者選びをした人は殆どいなかったのではなかろうか。少なくとも僕の選挙区で広報を読む限りでは、拠って立つ政党が違う以外には選択の決め手になるような、目を惹く訴えは皆無であったと言える。そんな低調な選挙であったから投票率は過去2番目に低く、投票率が低ければ畢竟、共産党の様に投票に行かないと周囲の党員から自己批判させられる様な政党の得票が伸びる。共産党躍進と言う報道もあるが、共産党が躍進したのではなく、共産党支持票だけは投票率が非常に高いに過ぎない。何れにしても共産党も泡沫政党の一角である事に変わりはないから大勢に影響はない。
 国政の勢いを反映して、自公の躍進は目覚ましかった。裏を返せば、3年余の民主党政権が余りにもお粗末であったが為に、今の自公政権は際立って頼り甲斐があるように映る。実際素人集団であった民主党政権に比べれば、経済、財政、外交、どれ一つ取っても今は大分益しである事は事実だから、今の自公は随分と得をしている。それだけ民主党が酷かったと言う事だが、流石に都民もそれは分かっていて民主党議席は三分の一近くまで減ってしまった。今の民主党の勢いでは、自民と民主と言う二大政党による政治などは夢のまた夢になってしまった。支持政党にはそれぞれ相違があっても、4年前には民主党がここまで酷いとは誰も想像していなかったのではなかろうか。それが蓋を開けて見れば、反自公で寄り集まった有象無象で、嘘で塗り固めた絵空事マニフェストをブチ上げたかと思えば、その政策についての党としての確たる統一見解、バックボーンは皆無であった。従い問題が具体的になると、各議員の支持層の意見が強く反映して議員によって発言はてんでんばらばら、しかもリーダーの統率力にも問題があったから常に党としての纏まりに欠けていて、造反や離党が後を絶たなかった。以前から言っている様に、民主党はもうここまで凋落したのだからいちど党全体をリシャッフルして、ブレない党として政策を一にする党員だけで出直さないと、選挙をする度にますます勢力が衰え、今のままでは遠からず社民党と大差ない党に成り下がるであろう。
 翻って自公がそれ程素晴らしいかと言えば、これも単なる消去法で残ったに過ぎないと思う。政権運営の経験の無い野党に政権を取らせる事の恐ろしさが、未だ有権者の骨の髄にまで染み込んでいるだけの事である。更に野党の魅力が乏しい事もある。共産党の如き特殊な、中国のお先棒政党を別にすれば、辛うじてみんなの党が躍進したに過ぎない。それも絶対数では大きな声には成り得ない程度である。維新の会はやはり関西でなければ人気は頭打ちで、加えて橋下代表の妄言で人気に自ら水を掛けてしまった。生活の党、社民党みどりの風に到っては1議席も取れなかった。個人的には大いに結構な傾向だと思うのだが、そんな頼りない野党に助けられた自公の大躍進であるから、自公もそれ程威張れたものではない。参院選もこの勢いでねじれ解消に向けて自公には頑張って貰いたいが、第二次安倍政権が発足してから既に7ヶ月、為替や株価に多少の改善は見られるし外交では着実に実績を積み重ねていると言えるが、未だ経済の実態が改善されたと言う実感は誰にもない。むしろ一部の輸出企業を除けば、まだまだ先行きの見通しが立たないと言うのが大方の正直なところであろう。自民党の中には早くも派閥再編だとか、次期総裁選だとか、お先走った話題も出始めている様だが、4年前の衆院選では自民党の旧態依然とした政策運営と前時代的な駆け引きに嫌気した国民が、自民党の50年の独裁に天罰を下したものである。その自民党が僅かここ半年の高支持率に浮かれて、4年前の苦汁を忘れる様であれば日本はいよいよお終いである。