baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 バリ島で

 日曜日からバリ島に来ている。今年は何時休みが取れるかはっきりせずにいたのだが、先週半ばに突然今週のスケジュールの調整が可能になり、仕事仲間を差し置いて早々と夏休みを取り、急遽バリにやって来た。毎年一度バリに来るために一年間働いているような昨今の僕の人生である。
 ジャカルタからの乗り継ぎ便が遅れ、ホテルにチェックインしたのは既に深夜を回っていた。時差と長旅で体内時計が狂ってしまい、その日は結局朝まで寝つけずに、目が覚めたらもう昼近くになっていてビュッフェの朝食を食べ損なってしまった。今回のバリは毎日強風が吹き続けている。お陰で昼間でも一向に暑さを感じないが、風の強さは半端ではない。当てずっぽうだが、10m位の風が一日中吹き続けている。しかも如何いう訳か、バリの風は殆ど息をしない。こんな現象は毎年来ていても今まで一度も気付かなかったが、風速に多少の強弱はあっても殆ど一定の風速で吹き続けていて、全くブレスがない。日本では台風の時ですら、風と風の合間に風が途切れる時が必ずあると思うのだが、バリではその途切れが全く無い。24時間、1秒の途切れもなく吹き続けていて、まるで貿易風の様である。

    (強風に、浜辺のヤシの木も皆吹き流されている)
 今は丁度インドネシアの学校が休みなので特にバリに観光客が多い時期ではあるが、それにしてもまた一段と人出が多い。外国人が沢山おり、やっと2002年の爆弾事件の後遺症から立ち直った実感がある。広大な敷地に専門店やレストランが立ち並ぶバリ・コレクションと言う場所も、今年は正門から裏門まで殆どの店舗が埋まり、やっと全開したようだ。レストランは何処も盛況で、活気に溢れている。そんな中に凧の専門店を見つけた。インドネシアでは凧上げが盛んで、空き地があれば大人も子供も凧上げを楽しんでいる土地柄なのだが、凧は日本で言う駄菓子屋の様な万屋の天井からブラ下がっているのが普通で、こんな専門店は今迄見た事が無い。観光客が買って帰るのかも知れない。

 リフレクソロジーの店先に魚が沢山泳いでいる水槽があった。観賞用でもなさそうなので尋ねてみたら、足の角質を食べるRufaと言う魚だと言う。そういう魚がいるという話は以前日本で聞いた事があるが、実物を見るのは初めてである。店は有料で足湯の様に足を入れさせるのが商売なのだが、ちょっとだけ腕を入れて試させて貰った。魚に歯はないので痛くはなく、むしろくすぐったい。ただ無数の魚が写真の様に寄って来て突っつくので、バイブレーターの中に手を入れた様な心持がする。何とも曰く言い難い感覚であった。因みに写真は僕の腕ではない。

 WiFiの環境が悪くて写真のアップロードに酷く時間が掛かる。なにしろ朝刊1日分を取り込むのに10分以上掛かり、時々はダウンロードの途中でエラーが出てしまう程なのである。もっともケチをして、ロビーで無料のWiFiを使っているからかも知れない。今泊まっているホテルは高級ホテルなのだが、インターネットが今時珍しく有料で、日本なら一ヶ月契約出来てしまう料金が一日で掛かってくるので何だかバカバカしく、有料のネットを使う気にならないのである。ただ今年のホテルの部屋は海に面していて、中々の絶景である。

      (ホテルの部屋のバルコニーから)
 隣の棟は結婚式場になっている。月曜日は日本人のカップルがキリスト教式の結婚式をやっているのがバルコニーから覗き見えた。普段は式の後はスタイリストを同行してカップルで浜辺に出て、専属のカメラマンが記念写真を撮りまくる。しかしこの強風では気の毒に、このカップルの浜辺の写真は撮れなかったかもしれない。

      (バルコニーから望遠で結婚式を盗み撮り)
 このホテルは日本の業者と提携して、日本人の結婚式を売りこんでいる。結婚式専門の日本人スタッフも常駐している。結婚式を受けると、日本から来る出席者もみな同じホテルに泊まり、浜辺の披露パーティーがあったりもするからホテルとしては効率の良い商売なのであろう。勿論インドネシア人の結婚式もやっているが、インドネシア人は全員が同じホテルに泊まる訳ではなく、何処かからバスで大挙乗り付けてきたりするし、昨年はたまたま西洋人の結婚式があったけれども、西洋人の場合は殆ど参列者がおらず、家族だけのささやかな結婚式の様であった。そうなるとやはりホテル側としては日本人の結婚式が一番旨みがあるのであろう。