baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 日本国憲法

 毎日参院選の選挙運動で、暑苦しい最中に暑苦しい連呼が騒々しい毎日である。その参院選では、憲法改正が一つの論点になるかと期待していたが、残念ながら今のところアベノミクスに対する攻防が論戦の中心で、憲法改正の議論は中々高まらない。
 僕は今の憲法の拠って立つ「恒久の平和を念願」して「国際紛争を解決する手段としては、永久に(武力の行使)を放棄する」と言う精神には聊かの反論もない。しかしこの憲法の大前提である前文を読んだ時に、この憲法が余りにも理想主義に走り、他国の善意を信頼する事に依っている事に愕然とする。即ち前文では、日本は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し」、「われらは、いづれの国家も、自国の事のみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」のである。万国性善があって初めて日本の存続が成り立つ訳である。しかし残念ながら歴史的に見てもこんなお人好しの国が存続した例はないし、昨今の近隣国の動きを見てもとてもこんな崇高な原則を彼等が持っているとは思えない。
 そもそも昨今の中韓の言動は日本国憲法の願望とは裏腹に、自国に有利な様に捻じ曲げた歴史を真実と勝手に唱え日本の歴史認識を強硬に非難する。余程の低脳でないかぎり、歴史認識には色々な切り口があるからそう単純に決め付けられる事ではないのは分かる筈だが、そんな事はお構いなしである。しかも彼等はそれ程の低脳ではなさそうであるから、性根が腐っているのである。その上、事実まで捻じ曲げているとなれば、何をか況やである。
 韓国について言えば、1952年に国際法を無視して一方的に李承晩ラインを設定した時に勝手に竹島編入し、翌年には邦人民間人を武力で圧倒して占領し、今では200名を超える兵士を常駐させヘリポートまで作って実効支配している。この島は日本が1905年に、国際法に則って日本国領土に編入したもので、少なくとも国際法上は何等日本に落ち度はなく、他方韓国には一切の権利はない。それでも不服ならばハーグの国際裁判所で裁定を受ければ良いのに、武力で一方的に占領しているのが現状である。或いは慰安婦問題にしても、事実と食い違う、或いは事実という確証がない事を論って、政治的には唐の昔に解決しており、その後の諸般の状況からNPOを通して個人的にも追加で補償を実施しているにも拘らず、何時まで経っても言い列う。政治決着を受けて日本政府が実施した、当時にしては莫大な経済無償援助については一言の感謝もないどころか、既に忘れ去っている様である。彼等に恥は皆無のようである。
 中国に到っては、1968年に海底資源が見付かるまでは鼻にも掛けなかった尖閣諸島を1972年になってからいきなり自国領と言い出し、今では海監、軍による領海侵犯は日常茶飯事、航空機による領空侵犯や軍艦による自衛艦への射撃用レーダー照射など、その暴虐ぶりは常識の域を超えている。日本を挑発して、偶発事件であれ戦火を開き、武力闘争に持ち込もうと企んでいる事は明らかである。幸い安倍政権はその挑発を受け流しているが、現場の海上保安官は気の毒としか言い様がない。しかも最近の中国は言うに事欠き、沖縄が日本領であることにまで疑義を唱え始めている。相手が中国であるだけに、尖閣を取ったら次は沖縄諸島も剥ぎ取ろうと考えていても驚くには当たらない。そもそも自分達がチベットやウィーグルで何をしているか、漢民族による無法な占領統治と少数民族の虐待、虐殺ではないのか。日本に対しても同様の事を狙っているとしても、決してあり得ない事ではない。
 しかも貪欲な中国は領土拡張を図るのみならず、東シナ海でのガス田開発も、日本が指を咥えている間に単独で開発を続けている。共同開発という日中間の政治合意は一方的に反故にされた。既にガスの生産が始まっている証拠に、排ガスの燃焼も確認されているし、最近になり別の場所で新たなリグを作り始めた事も確認されている。これらの動きは、国際法を頭から無視した、他国の権益の略奪である。
 この中韓二国の昨今の言動を見るだけでも、日本が如何に危うい立場にあるかが良く分かる。その日本の憲法が、万国の公正と信義を前提としているのだから、これはやはり見直さなければならない。世界は各国の利己主義の鬩ぎ合いである。日本から争いを仕掛ける事は厳に慎まなければならないが、隙あらばぶったくろうと虎視眈々としている無頼な国々に取り囲まれている事を忘れてはならない。にも拘わらず、現に改憲反対を唱える政党があるのだが、冷静に考えれば誰にでもその目的は明らかであろう。