baiksajaの日記

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 民主党が三党協議離脱

 民主党社会保障改革に関する自公民の三党協議から離脱する事を決めたと言う。理由は、最低保障年金制度の導入や後期高齢者医療制度の廃止など、自らの主張が全く反映されないからだそうである。しかし例えば後期高齢者医療制度については、確かに平成22年のマニフェストでは平成25年までの廃止を謳っていたが、昨年の民主党政権時には一時、全面的な廃止は引っ込め微修正に留める事に軌道修正しようとした程である。それが衆院選参院選で大惨敗を喫し、このままでは自民党に呑みこまれるのを危惧して一度は破綻したマニフェストを後生大事に取り出して、協議自体から離脱しようという。何はともあれ与党には反対しようと言う意図は丸見えである。
 最低保障年金制度については、財源も伴わないのに大盤振る舞いを約束するだけでは財政が回らなくなるのは明白である。日本には生活保護制度もあるのだから、両者の運用面を上手く擦り合わせれば、大上段に最低保障年金などと振りかぶらなくても困窮者の救済は可能な筈である。必要に応じ運用面の詳細を見直す事は必要なのかも知れないが、ポピュリズムで人気取りに走っても財政が従いて来なければ破綻する事は既に身に染みて実感した民主党の筈である。
 後期高齢者医療制度は、元々は寂しいお年寄りが無暗に医療施設に行って、待合室でお喋りした挙句に不必要な医療を受けるのを防ぎ、たださえ負担の重い現役世代の負担をこれ以上増やさない様にするのが当初の思想であったと思う。その為に後期高齢者の医療制度を一般の健康保険から切り離し、実体が分かり易くなるようにしたと理解している。元々現役世代に負んぶに抱っこの医療保険制度であるから、多少は高齢者に負担が増すのは止むを得ない。総人口の1割に過ぎない(今はもう少し増えているかも知れないが)75歳以上の後期高齢者の医療費が全体の半分を占めていると言う現実は、誰が見ても現役世代と同じ医療保険制度では不公平と言える。未だ新しい制度だから色々と不具合はあるかも知れないが、不具合を修正して改善する事は必要でも、今更後戻りすべき話ではないと思う。
 一方で、民主党マニフェストは選挙で票を集める為のポピュリズムだったのだから、財源が伴わない事が明白になった今はそんな政策がそのまま通らないのは仕方がない。そもそも総花的なマニフェストは早く見直して、地に足の付いた政策で一致した議員のみで再出発を図り、三党協議も離脱するのではなく自公の見落としている処などを修正する事で民主党の存在をアピールするべきなのである。新たな改革案に自らのマニフェストが反映されないからと安易に三党協議から離脱すれば、いよいよ有権者の目には民主党の存在が薄れるだけである。そして何でも与党に反対する野党になり下がれば、昔の社会党と同じで何れは消えてなくなる事を思い起こすべきである。海江田万里福島瑞穂を見て、どんな感慨を催しているのであろうか。大惨敗が続いている民主党だが、それでも未だ与党第一党である。烏合の衆であった今までの民主党に何時までも拘る事無く、早く脱皮して少しでも二大政党政治に近付いて欲しいものである。