baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 「イスラム国」による邦人拘束事件

 「イスラム国」による邦人拘束事件が連日テレビや新聞を賑わせている。確かに「イスラム国」の残虐非道さと、その自分勝手な理屈は許しがたい。その狂信的な行動は狂気の沙汰としか表現のしようが無い。イスラム国のメンバーは一人残さず、一日も早くこの世から抹殺される事を願うばかりである。
 然はさりながら、二邦人の拘束が如何してこうも一面トップの話題になるのであろうか。勿論これといった罪も犯していないのに殺害されるのは気の毒である。しかし、「イスラム国」が正気の集団ではない事はもとより周知されていたことであるのに、またしてもそこへのこのこと出かけて行きまんまと拘束されてしまった人間を、政府を挙げて助け出す義理は何処にもない。ましてやこんなことでヨルダンに借りを作るなどもっての他ではないか。
 既に殺害されたとする湯川某は、そもそも戦争ごっこの延長でシリアに向かった、言ってみれば世間知らずの愚か者である。民間の軍事会社を設立したと言うが、何の経験もなく戦闘や諜報の技術もノーハウもないのにどうして軍事会社が作れるものか。僕は海外で民間人の警護や誘拐された人質の解放を請け負う欧米の会社と何度か接触があったが、彼らは何れもCIAやMI-6、或い実戦経験豊富な特殊部隊上がりのプロの集団であって、会った時のまるで爬虫類の様な目つきからして普通の人間ではない事は一目瞭然であった。千葉の片田舎でミリタリーグッズを売っていて、思い付きで軍事会社を設立する程度の人間とは、危険との付き合い方が根本から違う人種である。そんな常識的な認識もないままに危険極まりない紛争地域であるシリアに遊び半分で出かけて行くような人間に、日本政府が責任を負う必要は微塵もない。
 もう一人の後藤某は、ニュースを見る限りではもう少しまともな人間の様であるが、それでも結局は自ら危険を承知でイスラム国と称する地域に踏み入った訳である。テレビのニュースによればイスラム国地域に行く前に自分でわざわざビデオを撮り「ここから先はすべて自分の責任である」と宣言までしている。分かって行っているのだから、その結果についても自分で責任を負って貰うしかない。無実なのに殺害されるのはとんでもない理不尽で、それは気の毒であるし、増してや無実の人間を無闇に殺害する人間は幾ら憎んでも憎み足りないが、だからと言って自ら飛んで火に入った人間の為に国が必要以上に振り回されてはならない。拘束された邦人は、国の為に戦って捕らわれたヨルダンのパイロットとは本質的に異なる訳で、同次元で論じる事すら憚るべき事である。日本政府も必要以上の税金を使うべきではない。それこそムダ金である。