baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 インドネシアでのオバマ

 オバマインドネシアを訪問している。継父の祖国で小学校時代を過ごしたオバマは、インドネシアでは人気が高い。オバマの子供時代の逸話を映画にした「オバマ」と言う映画が今年人気を集めた。オバマのミドルネームがフセインという、イスラムの名前である事も影響しているかも知れない。同じ理由で、米国ではオバマを隠れイスラム教徒と呼ぶグループもある。
 そのオバマインドネシアでの演説で、クリスチャンとイスラムの融和を呼びかけた。米国はイスラムに戦争をしている訳ではない、とも発言した。得てしてイスラムを誤解しがちな西側世界で、その頂点に立つ米国の大統領がかかる発言した事には非常な意義があると思う。
 僕も日頃から主張している様に、イスラムは決してクリスチャンに敵対する宗教ではない。増してやテロを標榜する宗教ではない。一部のイスラム原理主義者と、クリスチャンの保守派がお互いに非難し合い、攻撃しあっているだけで、少なくとも本来のイスラムは決してクリスチャンと相容れない存在ではない。現に、世界最大のイスラム教徒を抱えるインドネシアの他宗教に対する寛容が、クリスチャンに対する寛容を示している。オバマもその点を強調したようである。故ないイスラムとクリスチャンの敵対関係が早く終わると良いのだが、お互いに思い込みではなく自ら相手の宗教を勉強したら直ぐにも和解出来る筈なのである。
 そんなインドネシアでは、数日前からまたメラピ山が噴火して、避難範囲も従来の噴火口から10kmの範囲から20kmにまで広げられたと言う。死者も10日現在で81人になり、負傷者は66人と言う。何れも火砕流や降灰による火傷である。火山の麓にあるジョクジャカルタの空港は本日も未だ閉鎖されたままだそうである。降灰により滑走路は埋もれてしまい、航空機のエンジンにも危険が生じるからである。止むを得ず航空旅客は近隣のソロやスマラン経由でジョクジャ入りしている。そのジョクジャでは、雨が灰を降らせ、道路も街並みも灰色一色である。何とも気の毒であるが、自然災害には人智は手も足も出ない。せめて、これ以上死傷者が増えない事を祈るのみである。