baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 政府もやっと為替介入

 僕の悲痛な願いがやっと通じたものか、今日政府と日銀は遅ればせながらも円売り介入を実施した。今までは安住淳の口先介入だけであったが、これでは全く効果がないどころか投機筋に足下を見られて円が買い進まれ、今日も朝方に円の最高値を更新し75円35銭を付けたところであった。
 政府が介入した直後には円は4円近くも下落したが、その後は若干揺り戻しもあったようである。安住淳は自分が「納得行くまで」介入すると言っているが、これが今迄の口先だけの「有言不実行」では無い事を祈る。単独介入だから効果に限度はあるが、それでも一日だけの介入では直ぐにまた円高に戻るのは目に見えている。くれぐれも8月の時のように、1日だけで終わる事のないように願いたい。その意味でも、安住淳にはこれからが正念場である。日本政府が勝つか、投機筋が勝つか、買った方はボロ儲けが出来る。
 例えば日本政府が円安に誘導する為に平均77円で50億ドルを買い支えて、上手く円安となってから平均80円で少しずつ売ったとすれば、単純計算すれば150億円の儲けとなる。3兆8500億円で150億円儲けたら、利益率は3.8%、これを2ヶ月で儲けたとすれば年率では20%以上の高利回りとなる。ところがこの逆で、投機筋が安い円を買って高く売り抜ければ彼等にボロ儲けされて、もし日本政府がその時に介入していれば大損を蒙る事になる。投機筋のような不労所得者に泡銭を掠め盗られる事がないように、政府はこれから褌を締め直し徹頭徹尾ドルの下支えをしなければならない。中途半端に介入した挙句に、直ぐに腰が砕けるようでは介入しないよりももっと酷い結果になる。
 11月3日からG20がカンヌで開催される。今回の日本の単独介入は海外から批判される惧れがある。為替介入は市場経済の原則に反するからである。しかし実体から懸け離れた為替相場は、日本の経済を足下から崩壊させる。従い仮に批判が出ても、日本は毅然として断固日本の立場を主張すべきである。同時に、以前にもこのブログに書いた事だが、投機は紛れもなく市場原理に基づく自由経済を脅かすから、何らかの規制をすべきであると主張して切り返すべきである。米国でもオバマ政権内には同様の意見が出ていると聞くので、とんでもない反発を招く事はないのではないか。
 具体的に為替で言えば、例えば実需を伴わない一定額以上の為替売買は国際的に規制する、と言ったルール作りを提案するのである。幾らを上限とするのが妥当なのかは素人の僕には想像も付かないが、上限額はともかく例えば一件5000万ドル以上は実需を証明する書類が必要と言った規制ではどうであろうか。とにかく、今迄のようにボコボコにやられるだけではなく、市場では敢然と80円以上を目指して介入を続け、同時に例え直ぐには理解を得られなくても、とにかく日本の立場を広く世界に説明して理解を得る努力をし、同時に投機の規制を図る何らかの提案をしたら良いと思うのである。