baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 やはり中途半端な円高対策

 円が78円台に貼り付いたままである。本当の処は僕達庶民には知る由もないが、どうやら政府の為替介入も10月31日の1日だけであったのではなかろうか。安住財務相が「納得行くまで」などと大見栄を切った割には、相変わらずの円高である。まさか安住淳が78円を善しと思っている事はないと思うのだが。少なくともその程度の事は付け焼刃でも良いから既に理解していると思いたい。
 10月31日の為替介入は7兆円規模という史上最大の介入であったと言う。しかし、それで放っぱらかしてしまえばまたジリジリと円高になるのは目に見えている。欧州の金融危機は、ギリシャの政治危機が何とか回避されたかと思えば今度は新たにイタリアがクローズアップされて来て、未だ安定には程遠い様相である。となれば、余程日本政府が毅然としないとまた足下を見られて、行き場のない投機資金が円買いに流れ込んで来るのは必定である。
 今回の為替介入の時にこのブログに書いた様に、やるからには徹底的に日本政府の確固たる意志を内外に見せなければならない。何の為に7兆円もの莫大な介入をしたのか。70円台を善しとするような中途半端な、或いは明確な目標のないままの為替介入であったのか。或いはG20で叩かれて、もう尻尾を巻いてしまったのか。僕にも予想の出来るG20での非難など、為替介入に踏み切った時点で既に織り込み済みではなかったのか。或いは安住財務相は75円台が78円台に下がった処でもう納得してしまったのか。だとすれば、やはりこんな素人で口先ばかりの浅はかな男には財務大臣を任せる訳には行かない、と言う事になる。
 野田政権はTPPも大事だが、今日明日の企業の業績に直結する為替の適正水準での安定化にもっと真剣に取り組まねば、幾らTPP交渉に加盟したところで国内産業の空洞化に歯止めは掛けられない。為替介入は一旦始めたからにはもう後戻りは許されない。断固円高を阻止すべく、せめて80円台に戻すまでは、世間に何と言われようと引き続き為替介入を続けなければならない。