baiksajaの日記

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 尖閣諸島不法上陸者〜本当に強制送還してしまって良いのか

 尖閣諸島に上陸した5人と、船に乗っていた残りの9人、計14名は取り調べ後明日にも強制送還する段取りらしい。単なる不法上陸程度であればそれでも良かったと思う。何も好んで事を大袈裟にする事はない。ところが本日のテレビニュースに流された海上保安庁の巡視船の映像を見て驚いた。これが単なる不法上陸では済まない事が明らかに見て取れるのである。投げ込まれた大きなコンクリート片がデッキに映っているし、何よりも巡視船の損害が明白である。舷側が傷付き、手摺が破損し、しかもどうしたらあんな高い場所があれほど損傷するのかと訝しい大きな傷も見受けられる。これは素人考えでも傷害未遂、公務執行妨害、器物損壊等の罪があることは明白である。
 これだけ明白な証拠が明らかになったからには、国内の法律に則った厳正な処罰が必要な事は論を俟たない。それをまた今回も強制退去ぐらいでお茶を濁してしまえば、日本は益々舐められてしまい、同様事件が後を絶たなくなる恐れがある。外国が関与する問題であるから大局的な判断が必要な事は分かるが、明らかに日本の法律に抵触する犯罪人は日本の法律に則って厳正に処罰をしないと、将来の類似犯罪への抑止にならない。そもそも何の為の法律かと言う事になる。
 現に今日も中国の海洋調査船と称する武装スパイ船が接続海域に侵入してきており、海上保安庁の退去命令を無視して暫時航行していたと言う。明らかに逮捕された14人の早期釈放を促す圧力を加えると同時に、日本政府の出方を探る目的で敢えて刺激しているのであろう。
 今回の事件は純粋に香港の活動家が独自にやった事だと解説している学者がテレビに出ていたが、純粋な香港人にはそもそも尖閣諸島の帰属など何の興味も湧かない事である。中国だからこそ領有を主張するのであって、今回の活動家は中国と無縁だなどと言う事はどこから見ても絶対にあり得ない話である。目と鼻の先の領土問題であり、しかも何かと中国の提灯持ちである台湾の国民党政権ですら、尖閣諸島問題では台湾は中国とは一線を画すと中国を突き放している程である。むしろ中国政府としては、中国々内の活動家の仕業にすれば国内世論が沸騰してしまうリスクがあり、それは近々政権幹部が交替するこの時期には避けたい事態である事から、敢えて香港を経由して国内のガス抜きをしたと見るのが妥当である。
 取り敢えず今回は無条件に強制送還するのではなく、しっかり捜査した上で犯人には法の裁きを受けさせ、相応の刑事罰を与えねばならない。その上で、外務省は当面韓国と中国を、特に報復の為には何をするか分からない中国は、渡航延期勧告の対象国にする事を検討すべきではないか。先ず不要不急の観光旅行は無条件に延期させる事である。二年前の事を思い出すべきである。日本の援助で建てる毒ガス分解工場の建設予定地の写真を撮っていた日本人技術者を、スパイ容疑で逮捕、拘束した国なのである。この日本の民間人を冤罪で、しかもスパイ罪と言う最高刑は死刑と言う罪状で拘束した事が、当時の菅政権の弱腰を徹底的に砕いてしまった事は未だ記憶に新しい。中国の恫喝に、日本の法が曲げられたのである。中国は斯くの如く、微塵の信用もしてはならない国なのは既に明らかなのである。今般も判決が確定するまでは、或いは判決確定後も、中国は何を仕出かすか分からないから、不用心な日本人がフラフラ出歩くのには事前に警告を与えるべきではなかろうか。