baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 雑感

 尖閣諸島への不法上陸者が、入管法違反以外には立件すべき犯罪は犯していないとして強制送還された。あれほど明らかな公務執行妨害、傷害未遂、器物損壊等を犯し、しかも香港出航の時からコンクリート片やレンガを積み込んでいた確信犯にも拘らず、である。これが米国との関係を曾てないほど毀損してしまった鳩山由紀夫に始まる民主党政権の限界なのであろうが、こんな政府では独立国家としての日本の体面は守れない。二年前の漁船衝突事件に続き今回も、日本では何をしても無罪放免されると世界中に宣伝してしまった。そもそもこんな悪例を残してしまった菅−仙石の罪は重い。公然と海賊活動を行うシーシェパードも、或いは尖閣諸島の強奪を狙う中国政府の手先も、今後益々エスカレートして来る事が危惧される、何とも情けない事態である。周辺漁場で就労している日本籍の漁船が中国船に拿捕されたりしないよう、せめて周辺海域の警備だけはしっかりして欲しいものである。
 竹島問題では、ハーグの国際司法裁判所に提訴する事が決まったようで、やっと一歩前進である。僕は二国間の領土問題は国際司法裁判所で決着をつけるのが一番良いと以前から主張しているのだが、残念ながらこの裁判所では提訴するだけでは裁判が始まらない。かと言って裁判になれば負ける事が分かっている韓国が、のこのこと裁判に臨んで来る道理もない。取り敢えずは韓国は裁判に応じない理屈を開陳せねばならぬとの事だが、所詮裁判ではないので何を言っても言いたい放題だから、ある事ない事を言い募るのであろう。国際社会に領土紛争がある事を改めて公にする事にはなるのであろうが、そんな事にそれ程意味があるとは思えない。やはり何等かの手段で首に縄を付けてでも韓国を裁判の場に引っ張っぱり出さねばならないと思う。僕の持論の海上封鎖は少々過激な方法である事は自覚しているが、政府にはその位の覚悟で我が国の領土を保全して欲しいのである。
 イスラムの断食がそろそろ終わる。明日の夜の月を見て最終判断が下されるようであるが、19日が断食明けの回教正月になりそうである。待ちに待ったお正月、明日の夜はインドネシアでは子供の松明行列や爆竹で一晩中大騒ぎであろう。今年の日本の夏は、今日もそうであったが、断食をしていなくても猛暑で半死半生の日々であったから、日本で断食した回教徒には苦行であったと思う。この時期の断食では、渇きがこれ程辛いものであるかと言うのが僕の実感である。幸い日本では未だ欧米ほど回教徒に対する偏見はないから、精々良いお正月を迎えて欲しいものである。
 イスラム国であるシリアでは、内戦が一向に終息しないばかりか、国連も手を引いてしまった。リビアではあれほど介入して反政府派をテコ入れしたのに、石油がリビアほど豊富でないシリアでは世間は冷たいものである。シリアの内戦は単にアサド独裁政権民主化を望む反政府派との内戦という図式に留まらず、実は宗教戦争の様相もあるので複雑である。即ちアサド一家はアラウィー派と言う、イスラム教とは全く相容れない宗派を信奉している。この宗派は実はイスラム教から派生しているらしいが、三位一体を信じるなど、唯一神のアラーしか認めないイスラム教徒にしてみれば異端の極みなのである。しかもシリアでも極めて少数派である。したがいシリアの一般社会には受け入れて貰い難い極く少数派のアラウィー派を信奉するグループが、アサド派の軍や警察に多数いる。彼らはこの内戦に負けると、単に政権が転覆されるのみならず、それに続いてどんな報復があるか分からないので、文字通り必死なのである。宗教に疎い日本人には実感が湧かないが、何とも悲惨な事ではある。