baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 日本外交の立て直し

 昨今の、北方領土尖閣諸島竹島に関わる一連の領土問題の根底に通ずる事は、紛れもなく日本の最近の外交が失敗しているからに他ならない。しかし、そう簡単に割り切ってしまって良いものであろうか。
 そもそもは稀代の痴愚蒙昧な宰相が、スタンフォード大学に留学までして何を学んだのか、精々が日本人の寿司職人から人妻を寝取るぐらいしか能がなかったようだが、そんな出来の悪い男が止せば良いのにわざわざ英語でオバマ大統領に「私を信じて下さい」などと大嘘をかませて逆鱗にふれてしまったのが始まりである。メドベージェフが北方領土に突然タッチダウンしたのはその頃である。日米同盟に大きな亀裂が入ったのを見越して、突然実効支配を強めて来たものである。その結果、今では韓国や中国が投資したりし始めていると聞く。
 中国が尖閣諸島の海域を徘徊し、調査船と称する武装スパイ船を頻繁に派遣して日本の出方を窺うようになったのも時を同じくしている。何れも自衛隊だけでは国土防衛が出来ない日本が、頼みとする米国との関係に亀裂が入ったと見て挑発行為に出て来た事は論を俟たない。その意味でも鳩山由紀夫が我が国に与えた損害の甚大さは、俄かには論じ難いほど重大であり万死に値する。
 加えて日本の政治の混乱がある。民主党政権は発足以来党内が定まらず、当初から分裂含みであった。そして何時も言う事ながら政策で纏まった政党ではないから、常に党内は喧々諤々で与党内で騙し合いまでする体たらくであった。そんな民主党がついに大分裂を起こしてしまった。外国から見れば今の民主党程組し易い政権もないものである。
 更に素人集団のくせに発足当初から政治主導などと粋がって官僚の口を封じたから、外交では一番重要なパイプまで詰まってしまったのではないかと思われる。今般の竹島問題でも、韓国との間にしかるべきパイプがあれば、事はここまで感情的に拗れる事はなかったと思う。パイプについては僕の想像に過ぎないが、どう考えてもまともなパイプが機能しているとは思えない。そもそも今の政権にはこの3年間、一人として外交に長けた人材は見当たらない。鳴物入りで就任した駐中国大使も尖閣問題では利敵発言大使だったし、そもそも政権樹立直後に一年生議員を大挙引き連れて中国々家主席に一人一人と握手させると言う信じ難い田舎者が率いる政権であったから、当初から絵に描いたような外交音痴政権だったのである。
 ここまでは民主党政権の外交上の失敗である。しかし更に決定的なのは、日本の経済力の衰退であり、日本製品の競争力の衰退ではないかと思うのである。結局は日本の経済力が落ちたから、昨今は援助も尻つぼみだし日本製品も海外市場でそれ程怖い存在ではなくなっている。加えて日本企業の投資は国内が1に対して海外は4位の割合で国内空洞化が進んでいると言われている。そんな日本は誰がみても以前ほど魅力はないし、外交関係が多少悪化してもそれほどダメージは受けないと思われても仕方がない。
 無能な政権が出来てしまう事は時として已むを得ない。選挙民が騙されればそんな事も時には起ころう。しかし経済の沈下は断固手を打たねばならない。しかも経済の立て直しには政治以上に時間を要するから、結果を急がずしかもブレる事無く、対策を講じなければならない。また同じ事の繰り返しになるが取り敢えずは、法人税の引き下げ、安いエネルギー、特に電気の供給、そして為替レートの適正化等を通じて日本を魅力のある投資先にする事である。残念ながら民主党政権はこの主要な問題には唯の一度も手を付けていない。TPPも議論が停滞したままである。特に、為替は酷い。もはや70円台が定着してしまっているが、こんなレートでは日本製品は逆立ちしても海外では競争力を持てない。已むを得ず日本企業はアジアを主としたアジアでの製造にどんどんシフトしているが、その為に品質の劣化は避けられず日本製品に対する神話も以前ほどではなくなって来ている。益々じり貧なのである。その上国内の雇用問題は深刻化の一途を辿っている。
 目先の領土問題には毅然とした対応が肝要なのは言うまでもないが、結局は国力の衰退傾向が続く限りは益々周辺国からは嘗められ続けるであろう。今般の一連の問題を単に領土問題として片付けてはなるまい。戦後67年、日本の経済力回復、国力回復に国民一人々々の知恵と汗、場合によっては臥薪嘗胆が今ほど求められている時はないのではなかろうか。