baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 アルジェリア人質事件

 アルジェリアでの、イスラム過激派の人質事件が日本中の気を揉ませている。情報が錯綜していて、生存確認者の詳細を公表しないなどJGCや日本政府の情報操作もあるが、とにかく現地からの情報がない。だからロイターや、アルジャジーラなどの近隣国のテレビニュースが数少ない貴重なニュースとして流れるのだが、これがまたまるで整合していない。
 犯人グループは当初は北アフリカを拠点とするアルカイダ系だと言われていたが、今日辺りのニュースだと少なくとも首謀者はどうやらアルカイダから追い出された亜流であるらしい。密輸のベテランだと言われているから、表向きの口実はともかく、実際は金銭目当て、身代金目当てだったのかも知れない。JGCの従業員は外国人も含めると随分大勢が事件に巻き込まれた様であるが、安否不明の邦人10名はもとより、ただただ全員の無事を祈るばかりである。
 昔は海外に出掛けるには、実感として随分と危険が伴った。先ず飛行機の墜落事故が、今よりも遥かに多かった。飛行機のレーダーや機体制御の性能が今よりも格段に悪かったから、悪天候に突っ込んでしまったり乱気流に揉みくちゃにされたり、僕も二度ほど九死に一生を得た事がある。新興国のローカル線には、飛んでいる事が不思議な程古い機材も使われていた。例えばインドネシアでは、1930年代に就航したDC-3という双発のプロペラ機が、少なくとも僅か20年ほど前に未だ使われていた。墜落事故が多いのは当然である。
 そして外国、特に新興国には悪疫がはびこり、悪漢が横行していた。だから僕らが海外に出張する時には、相当の覚悟をして出掛けたものである。それが、最近は飛行機の墜落事故は滅多になくなり、一般的に衛生状態はどこの国でも向上しているし、治安も少しづつは改善されて来ている。だからこの頃は海外出張と言っても、ちょっと大阪か九州に出掛けるような気軽さがある。しかし、今回の事件を見れば昔とは少し質は異なるが、やはり大きなリスクが伴う事が分かる。そして外国で身に危険が降り掛かれば、結局は自分で自分の身を守るのが鉄則である事を改めて思い出させてくれる。そして最後は幸運に縋るしかない。
 それにしてもイスラム過激派には困ったものである。イスラムという冠が付くからついつい普通のイスラム教徒と混同されてしまうけれど、本来のイスラムはテロは断固容認しない。無実の人間に犠牲を強いたり、取引の材料にする事など絶対に認めない。今回の事件も、イスラムを名乗るけれども実際にはイスラム教から外れた異教徒のテロ集団による犯行である。本当に、イスラム過激派とイスラエルは何とかならないものか。彼らの様な気違いが、最新式の武器を持って無実の人を攻撃するから始末が悪い。