baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 グーグルの中国撤退

 ここ数ヶ月揉めていたグーグルと中国政府の確執が、取り敢えずグーグルの撤退で一段落した。中国は市場経済を導入して大発展をしているが所詮は共産党一党独裁政権であるから、西側の自由な表現を認める文化を象徴するグーグルとは相容れないのは元々自明であった。彼の国は検閲が常態化していて、世界でも最も言論統制の厳しい国の一と言える。政府が世界中のブログに目を光らせ、不穏当なサイトはブロックする。政府が教育した監視員が民間ブログに政府の提灯コメントを投稿する。そのブログにしても国民皆番号の登録を義務化しようとしていて、僕のように匿名で言いたい放題という事は認められなくなりそうである。そんな国なのである。
 そもそも中国は新疆ウィーグル自治区やティベット自治区少数民族問題を抱えていて民主化には非常に神経質になっている。特にティベットは、インドに亡命しているティベット民族の生き仏、ダライ・ラマもいる異民族、異宗教地域である。その外国を腕力に任せて武力併合したのである。中国はそんな帝国主義的な共産党一党独裁政権であるから、未だまだ言論の自由などはない。辺境の自治区の活動家は突如拘束されて、それきり一切消息が分からなくなる。カンボジアに逃げた20名の亡命志望者も国連難民保護官の遺憾声明にも拘わらず、昨年中国からの経済援助と引き換えにカンボジア政府から中国官憲に引き渡されてしまい、その後の消息は生きているのか死んでいるのかすら分からなくなった。極く最近、数日前、にも新疆ウィーグルの活動家が当局に拘束されて消息不明になってしまった。少しでも政府を批判する言論は徹底的に弾圧される恐ろしい一党独裁なのである。
 もし日本が中国なら、僕のように民主政権を鋭く批判する反政府分子は、今頃は良くて懲役30年位を食らって網走辺りに収監されているであろう。そんな、言論活動を徹底的にコントロールしようという中国にグーグルが進出した事自体が見通しが甘かった。ましてやグーグルの子会社のユーチューブが中国で自由に閲覧できる筈がない。天安門事件でも、中国では殆ど公平な報道はされていないし、戦車の前に立ちはだかる市民の姿などは絶対に見られない。
 僕は以前から中国は2050年までに分裂すると予言している。理由は二つある。一つは、中国は歴史的に100年を一つの単位として離合集散を繰り返している。1949年を集合の年とすれば2050年前後に離散の年が来る事になる。もう一つは沿岸部の富裕層が遠からず内陸部の貧困層の扶養に耐えきれず独立運動を起こすと思うのだ。ティベットや新疆ウィーグルの独立運動と違い、沿岸部の独立派は金持ちだから中国の官憲を買収出来る。その点で辺境の少数民族独立運動とは根本的に様相を異にしている。
 中国は未だまだ民主々義には程遠い、独裁強権政治である。言論の自由も厳格に統制されている。どこかの国の民主党と同じである。そして、国を挙げて米国にハッキングを掛ける。日本も被害に遭っているかも知れないが、多分気が付いていないのである。米国のネット上の反中国宣伝には、徹底的に検閲を掛けて国内への流入を阻止する。中国とは未だそんな国である。13億の人口を抱える大国、中国。軍備を益々増強し、3年後には航空母艦が就航する中国。そしてついにグーグルを放逐した。東アジア共同体構想も結構だが、「友愛」をスローガンにするお人好しがこんな中国と本当に「友愛」関係が結べるかと問えば、答えは否である。