baiksajaの日記

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 小沢一郎、ついに強制起訴

 小沢一郎がやっと強制起訴となった。しかし検察が二度も証拠不十分として起訴を見送った事案である。それを、普段は被告の弁護しかした事が無い弁護士が起訴するのであるから、有罪に持ち込むのは非常に難しいと思う。しかも、小沢は任意の事情聴取も拒否したから、検察官役となる指定弁護士は従来の検察が集めた証拠を再検証したのみで強制起訴をするしかなかった訳である。
 本件は物証がない。そして被疑者である小沢一郎は一貫して関与を否定している。常識的には小沢一郎名義の4億円もの銀行借り入れを、若干30代の石川秘書が小沢に一言の相談もせず、了解も取らずに独断で実行する事はあり得ない。借り入れ契約書には自筆の署名まであるのに、当人は借り入れの認識はなかったと強弁する。自宅の金庫に4億円もの現金を保管しておくのも、疚しい金でなければ考えられない。陸山会による頻繁な土地転がしも、限りなくマネーロンダリングの臭いがする。水谷建設の元会長が、胆沢ダム建設工事に絡んで小沢の指示で大久保元秘書に二度に亘って5千万円ずつ届けた、という証言もある。しかし、それらが犯罪に繋がる証拠が一切なく、知らぬ存ぜぬ、単に帳簿の付け忘れ、秘書が勝手にやった事、等々と言い張られれば簡単には突き崩せないであろう。ましてや検察による証拠捏造事件の審理の最中である。検察調書に対する心証は極めて悪い。
 一方で小沢一郎の集金力は未だに国会議員の中では抜きんでていると言う。その小沢の金に群がる国会議員は衆参合わせて130人、民主党では最大の派閥となっている。口では「国民のため」などと綺麗事を言いながら、自己保身と権力欲の為だけに民主党を振り回し、国会を振り回し、その場限りの出まかせばかりで国民に嘘を付き続けている小沢の周りに、相も変わらず国会議員が群れているのは偏にその金が目当てだからであろう。しかも、いつの間にか鳩山由紀夫とも復縁して、今はお互いに「政治とカネ」の疵を舐め合う蜜月ぶりである。
 小沢は起訴されても議員辞職はしない、離党もしないと早々と開き直っている。民主党を割ってしまえば、また政権から遠のいてしまうという計算であろう。そして、恐らく裁判でも証拠不十分で無罪になると確信しているのであろう。一方の民主党執行部は、130人もの小沢派議員の造反が恐くてなかなか思い切った処分が出せないでいる。執行部はここでも相変わらずの迷走ぶりで、口では強硬な素振りを見せながら何も実行出来ないでいる。今週にも役員会で処分をどうするか議論するという。そこで除名にでも出来れば、それで一応筋は通したと言えるが、そこまでの腹があるかどうか。そこまで踏み切れれば、もう小沢問題で辟易している国民の内閣支持率が若干持ち直すかも知れないとは思うが、仮にそうなったとしても所詮は一時凌ぎにしかなるまい。何れにしても役員会の結論は見物である。その上で、一つだけはっきりしているのは、もう小沢一郎のような古い体質の国会議員には引退して貰う時期であると言う事だ。