baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 音無しの自民党

 民主党政権成立3ヶ月、その迷走ぶりは誰の目にも明らかだが未だに支持率は然程落ちていないようだ。一人負けのCO² 25%削減のコミットだとか「友愛」などという現実離れしたキーワードでの東アジア共同体の呼びかけ、そして着地点を全く明らかにせず時間稼ぎに徹する普天間基地移設問題など、外交ではその無策無能振りを遺憾なく発揮し、国内でも選挙前には大見栄を切っていたムダからの財源捻出に早くも失敗、企業々績が落ち込み失業率は増加、株式市場は低迷、政府と日銀もデフレ宣言、という現実に何ら有効な政策が描けず、相変わらず財源無きままバラマキ中心の選挙公約のマニフェストに拘っている。閣内では明らかにリーダーシップ不在の閣僚発言の不一致が目立ち、連立政権内では首相を見くびった弱小政党に振り回されている。これだけ続けさまに国民を失望させているのに未だに支持率に然したる低下がみられないのはやはり野党の存在感が余りにも薄いからであろう。
 自民党のメディアでの露出度も自公政権時の民主党に比べても随分と低いように思うが、折角出て来ても民主政権の批判に終始していて自民党自身がまるで見えて来ない。自民党が単に相手の批判に終始しているうちは与野党逆転の目はない。物を売り込む時でも、競合先の悪口を言う遣り方はまず成功しない。売り込む商品の特徴や優位点を強調して、結果として競合先の商品よりも優れていると買い手に思い込ませて初めて商売が取れる。悪口ばかり聞いていると、聞く方もだんだん聞くのが厭になってきて悪口を言う方が信用出来なくなってくるものだ。
 政治は商品ではないから、政策に対する批判は避けて通れない。そしてそこで論戦を展開するのが理想である。しかし今の自民党を見ていると未だ敗戦のショックから立ち直れておらず、独自の政策へのアピールがまるでない。自分達が政権を握っていればこの問題はこうする、そうなれば将来はこうなるのに今の政権は誤った方向へ走っているので将来日本はこうなってしまう、という具体的なアピールをもっと期待したい。そうすれば民主党とて今のように総理の「最後は私が決めます」のどこか他人事のような一言だけで、どっちへ向いているのかすら説明がない現状では保たなくなり、もっと具体的な説明が出て来るようになると思う。そうさせるのが野党たる自民党の責務であろう。単に民主党政権の批判、それも例えば「党首討論を受けないから」程度で国会をボイコットするような知恵のない自民党では、有権者にとっては全く頼りにならない。そんな自民党だからすっかり馬鹿にされていて、早く来年度予算を纏めなければならないこの時期に鳩山総理は外遊ばかり、小沢幹事長は143人もの民主党議員を率いて中国、韓国へ大名旅行、韓国では民間人と公開囲碁を打つ余裕ぶりで、自民党など歯牙にも掛けられていない。自民党には早く民主党政権の政策を念頭に置いた独自のマニフェストを作って国民にアピールし、民主党に来年の参院選にもう少し危機感を抱かせて、真剣な二大政党の論戦を見せて欲しいものである。