baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 中国の対米反応

 米国が台湾に64億ドルの武器売却を決定した。武器の内訳はミサイル迎撃ミサイルや対艦ミサイル、武装ヘリコプターなどで、台湾が希望していたF16は除外された。勿論武器であるから使い方次第ではあるが、基本的には明らかに中国の台湾侵攻に備える防衛装備であり、台湾海峡の制空権を争える戦闘機は排除されている。
 にも拘わらず中国の反応が予想以上に激しい。中国の本当の顔、覇権主義が露骨に顕在化したと言え、何れは台湾を併合しようとしている表れであろう。既に航空母艦を取り敢えず2隻建造する事も公言している。航空母艦といえば母国から遠く離れた空域の制空権を奪取し、母艦を基地に遠隔地も攻撃できる正に攻撃的兵器であるから何とも不気味な軍備増強である。既に核兵器も大陸間弾道弾も装備し、更には新たに航空母艦を建造すると公言している中国が、米国が台湾に防衛装備を売却するのにこれほど神経を立てる。攻撃的兵器ではないのに、何故中国はこれ程までに台湾の装備近代化を嫌悪するのか。
 これがパワーバランスである。普天間基地の移設問題では、沖縄に米海兵隊が駐留する意義が余り論じられずに基地の安全性や移転先の民意などばかりがクローズアップされているが、台湾からも朝鮮半島からもほど近い沖縄に海兵隊と空軍が駐留し、岩国や横須賀と相俟って極東のパワーバランスが維持されているのが現状である。 そして米国は中国の軍備が益々強大になり、中台のバランスが余りに崩れるのを防ぐために台湾への武器の売却を決定したというのが実態である。今回売却される程度の武器で台湾が中国に侵攻する事など絶対にあり得ず、精々中国の台湾侵攻を多少慎重にさせる程度の効果しかないと思われる。
 昨日、社民党の党首が普天間基地の県外・、国外移転を叫び、そんな事で日米の関係がおかしくなる事はあり得ないと根も葉もない無責任なアジテーションを飛ばしていたが、何とも厚顔無恥、且つ根拠のない演説であった。地域の安定と平和を犠牲にしてまで自党の人気取りに走る、無責任な泡沫政党には売国奴という名が相応しい。先日、社民党は元々日本を中国に売り飛ばそうとした政党の流れを汲む政党と本ブログに書いたが、社民党は今でも本気でそう画策しているのかも知れない。
 我々有権者は騙されてはなるまい。沖縄の東アジア・極東における地政学的な重要性は、沖縄県民には申し訳ないけれども、軍事専門家でなくても一目瞭然である。同じ理由で、太平洋戦争で唯一地上戦を経験したのも沖縄であった。地域の安全と平和の為に、どうしても沖縄県民には負担を強いる事になる。単に代替地がないから、という事ではなく地理的な要衝なのである。従い県外・国外移転などという甘言を弄するのではなく、政府のみならず我々も日本国民として沖縄県民に感謝し、相応の償いをして、東アジアの平和を守らねばならないと思う。政府や政治家は中身の伴わない綺麗事ばかり言わずに、もっと踏み込んだ沖縄県への代償を論ずる中で県民の理解を得る努力をすべきである。名護市長選でも賛成派と反対派の差は僅かであった。単に「民意は尊重する」などという上から目線ではなく、政府が誠意を尽くせば市民の理解も得られるのではないか。