baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 夢を育みながら

 オバマ大統領が2030年代に人間を火星の軌道に送り込むという目標を公表したそうだ。共和党ブッシュ政権は月へまた人間を送り込むという目標を掲げていたのだが、それを真っ向から否定して目標を火星に合わせたものだ。実現性はともかく、稀有壮大で大変結構である。
 前政権の目標なり政策を否定するのも、こういう話ならどちらが良いとか悪いとか以前に、どちらも夢があって楽しいからどんどんやりあったら良い。予算がどうのとか具体的な議論は離れて、何しろ夢があるからこれからの四半世紀がまた楽しくなる。火星軌道に人間が行けるまで、僕も生きていようかとつい思ってしまう。僕はその時はもう90歳近いのだが、でもなんだか楽しそうなニュースが期待出来るではないか。日本でも、政権交代があってもこういう前政権否定なら大歓迎である。着地点の無い、反対の為の政策変更ではなく、国民に夢を与える範疇での政策変更は大歓迎である。それと、事業仕分けも結構だが夢までは潰さないで欲しいのだ。
 例えば僕が総理大臣になったら、こんな事を言ってみたい。宇宙で二足歩行するロボットを2015年までに月に着地させる。その為に、宇宙ステーションの実験棟「希望」で2013年には宇宙ロボットの実証実験を行う。月との間の無人補給船は「かぐや」と名付け、2017年までに月への軟着陸と地球への帰還を実現する。2020〜2025年までには月に人を送り込む。2030年までに月に平成基地を建設し、同時に今の月探査衛星「かぐや」が発見した月の水を生活用水として使える技術を確立する。そして2030年からは毎年南極越冬隊のような月面調査隊を長期間派遣する、等々。重力が六分の一の世界が老人に与える影響の調査に立候補しても良い。高齢者の月面生活としてはギネスものだろう。こんな話は実現しなくても罪はない。しかし実現すれば素晴らしい。何れにしても国民がみんなで同じ夢を見られる。こういう発表は国民が皆前向きに、元気になれて、しかも国威発揚に繋がって大変結構である。
 折から地球では異変が起きているようだ。今日の東京の寒さは尋常ではなかった。昨日もいい加減寒かったが、今日は本当に真冬に戻ったような寒さである。そして今晩から明朝に掛けては関東地方でも雪が降る、東京の平地でも雪が降るかも知れないという予報である。4月17日に東京で雪が降るなど言う話は僕は聞いた事がない。
 気温も異常なら天災も頻繁だ。中国の青海省では14日にまたまた大地震が起きた。今日の19時のニュースで既に791人の死者と、未だ300人近くの行方不明者と11,000人の負傷者がいると報道されていた。とんでもない犠牲者の数である。四川大地震から未だ僅か2年である。そして欧州はアイスランドで火山が噴火して噴煙が11,000mにまで吹き上がり、イギリスはもとより、パリ、フランクフルト、アムステルダムなどのハブ空港で軒並み離着陸が中止されていると言う。ハイチの地震だって、チリの地震だって、ついこの間の事だ。慢心している人類に罰が当たっている様に思えて仕方がない。
 こんな時こそ慢心を反省し、環境破壊を自ら戒め、贅沢を慎み清貧な生活に励み、しかしお互いの人生の希望が消えないように将来の夢をブチ上げて皆で共有するようにしないといけない。打算を離れた夢を共有して、みんなで目先の困難に立ち向かう時が既に来ているように思う。ところが未だ人類がそういう共同歩調を取れていない事に、罰が当たり始めているのではなかろうか。